韓国人女性教授の韓流考察(3)後半 政府はどのような支援をすべきか?

ホン・ソッキョン/ソウル大学教授(女 言論情報学科)は政府の大衆文化への支援がどうあるべきか、具体的に提案している。

▼今後、望ましい「韓流政策」とは?
韓国政府が積極的に乗り出して、韓国料理や韓服の世界化のために多くの努力をした。しかし、特に大きな結果は出なかった。政策を少し変えなければならない。どの国であれ、自国の文化産業振興のために多くの予算を使っている、重要なことはどこに使うか?

私は韓流が成功したのは、本当に韓国大衆文化創作者らの血、汗、涙のおかげだ。しかし、大衆文化産業はつい最近まで、シナリオ作家が飢え死にするほどで、若い人の情熱労働に支えられている。 以前よりは良くなったものの、まだ多くの人が厳しい環境で働いている。
(2011年、若いシナリオ作家、チェ・ゴウンさんが生活苦の末にこの世を去った。これを機に「チェ・ゴウン法」と呼ばれる芸術家福祉法が制定された)

コンテンツ産業では、ごく少数が成功し、多くの人は影の中で働かなければならない。この人たちの基本的生存権と労働条件を確保する方向に、政府はより多くの投資をしなければならない。

たくさんのフリーランスの労働者がプロジェクトとプロジェクトの間の長い期間、無労働で収入がない。ここを、どうやって埋めればいいのか、この下部構造と関連した政策が必要だ。

大衆文化には私たちの喜びと悲しみと欲望が投資されている。これを遺産と考え、保管·記録し、データベース化する。そして一般公衆が接近して2次活用が可能なアーカイブにしなければならない。国が投資してデータベースやアーカイビングをして、価値のある資料がデジタル津波に流されないように保存しなければならない。

私たちが自尊心と自信を持ちながらも誤った優越感や「クッポン」(国+ヒロポンの合成語 愛国心で極度に陶酔した状態)、国粋主義に陥らないために、何が最も重要なのが自らを振り返らなければならない。 歴史を学ぶのと同じだ。アーカイブが重要な理由だ。
(ホン教授の話の要約はここまで)

日本の大部分の方は、ホン教授が言及しているチェ・ゴウンさんのことを知らないと思うので、まず、この件について説明しよう。

チェ・ゴウンさん(女 1979年~2011年 享年33)はソウル出身、韓国芸術総合学校を出て、シナリオ作家として歩み始めた。シナリオを書き自ら監督もして短編映画「激情ソナタ」を世に出した。が、極度の貧困に苦しみ、結局、死んでしまった。

韓国では旧正月を盛大に祝う。家族みんなで集って楽しく過ごす。2011年の旧正月は2月3日だった。その数日前の1月29日、チェさんは京畿道安養の借家で、遺体で発見された。警察によると、チェさんは甲状腺機能亢進症と膵炎を患っており、数日間、飢えた状態で、治療も受けられず衰弱して亡くなったという。

彼女が最後に隣人に残したメモには、「これまで大変多くのご協力をいただき、ありがとうございます。恥ずかしいのですが、数日間、何も食べておりません。残ったご飯とキムチがあるなら、私の家のドアを叩いてください」という文が書かれていた。
●プレシアン

冒頭の「これまで大変多くのご協力をいただき、ありがとうございます」という言葉が胸に詰まる。チェ・ゴウンさんは、この隣人に、それまでも継続して食べ物を分け与えてもらっていたのだ。

チェ・ゴウンさんの死は、韓国の多くの映画関係者に衝撃を与えた。全国映画産業労組はこのような声明を出した。
「故人の死の背後には、創作者の才能と努力を搾取し、ただ利潤追及の道具として使おうとする残忍な大衆文化産業の論理が潜んでいる。創作者を死に追いやる産業システムとともに政策当局の責任を問わざるを得ない。もし失業扶助制度があって、故人が恩恵を受けていたなら、このようなことは起きなかっただろう。明らかに他殺だ」

同労組は、このような驚くべき数字も公開した。映画スタッフが生存のために声を上げ始めた2000年、年平均所得は337万ウォン(約30万円)、10年が過ぎた2009年の年平均所得は623万ウォン(約60万円)。少し良くはなったが、月給に換算すると52万ウォン(約5万円)に満たない。依然として最低生計費にも大きく及ばない水準だ。

チェの大学の後輩はダウムというポータルの掲示板に「映画制作会社の横暴」というタイトルの文を上げた。
「(チェさん死亡のニュースを聞いて)本当に涙が出た。チェさんは制作中の映画に必死で取り組んでいた。彼女にとって初めての本格的な映画シナリオの仕事だった。大きな夢を抱いたことだろう。しかし、契約金のほんの一部をもらっただけで、仕事をしなければならなかった。仕事はやり続けるが、金はもらえない。生活は苦しい。体の具合も悪い。いったいどうすればよかったのか」

日本のみなさんは、バイトをしながら映画の仕事もすればいいじゃないか、と思われるかもしれない。しかし、それは日本なら可能だが、韓国ではかなりハードルが高い。自分の都合でシフトを組んでもらえるようなアルバイト先は少ないし、そもそもアルバイト口自体がとても少ない。

コンビニなども、文在寅政権が急激に最低時給を上げたために、バイトを雇えなくなり、店主が家族で長時間、体を酷使してなんとか店を運営している状態だ。

ちなみに文政権がスタートした2017年の最低賃金は時間当たり6470ウォン(約600円)だったが、2022年1月1日からは 9160ウォン(約900円)。じつに42%も上がった。中小・零細企業、個人事業はコロナ禍の自粛や制限も重なり、大変な苦境に陥り、雇われる側も働き口が激減し、日本へも渡れず、途方に暮れ続けている。

他の労働や、近年、増えているバイクで配達する仕事なども誰でもできるものではなく、女性が、しかも体の弱い女性ができるわけがない。

▲ホン・ソッキョン教授
「影の部分で働く多くの制作スタッフの基本的生存権と労働条件を確保する方向に、政府はより多くの投資をしなければならない」

ホン教授は、きちんと、韓流コンテンツ産業で下働きをしている人たちへの政府の政策的配慮を訴えている。優しい心を持つ立派な先生だ。ぼくはファンになった。

しかし…、そういう多くの人たちの血と汗と涙のおかげ!
そう思うと、韓流ドラマも寝っころがって、鼻ほじったりしながら見てもいい、というようなもんではない、きちっと背筋を伸ばして正座して見なくてはならん、そんなふうに意識がしゃきっとしてくる。

「イカゲーム」、第1ゲーム「だるまさんがころんだ」で、最初に犠牲になった若い男の血しぶきを浴びて、絶叫する女性がいたが、迫真のすばらしい演技だった。映画では、この人もすぐに死んでしまい、出番はこれだけだったのだが、強烈なインパクトで、ドラマへの貢献度は非常に大きいのだが…、この方は、ちゃんと暮らせているのだろうか? 少し気になる。
(終わり)

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