ハン・ヒョジュに石をぶつける「正義」

前の記事に書いた映画「セシボン」の苦戦。
その理由のひとつとされるハン・ヒョジュに対する大衆の反感。

しかし、大衆がみんなしてハン・ヒョジュに「石をぶつける」行為は、正しいのだろうか…。

スターニュースが問題提起した。

●スターニュース 2015-02-16 11:29
ハン・ヒョジュはどうして石をぶつけられなければならないのか。ハン中尉事件を振り返る
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=106&oid=108&aid=0002387688

 

 

ーー引用始まり

ハン・ヒョジュはどうして石をぶつけられなければならないのか。

ハン・ヒョジュが石をぶつけられている。 弟のハン中尉の事件のためだ。 ハン中尉が軍で苛酷行為を行い、その結果、人が死んだと信じられているからだ。このことから、多くの人々が彼女に石を投げつけている。ハン・ヒョジュの記事には悪質な書き込みが寄せられ、ハン・ヒョジュが出演した映画には評点テロが加えられている。

ハン・ヒョジュが出演した映画「セシボン」も巻き添えになり、ハン・ヒョジュは罪人ではないのに罪人にならなければならなかった。

ハン・ヒョジュはどうして石をぶつけられなければならないのか。誤った思い込みのせいだ。行き場のない怒りが方向性を失ったために起きたことだ。 誤った情報を伝えたマスコミのせいであり、誤った事実を真実であるかのように振りかざして正義を叫ぶ人たちのせいだ。

ハン中尉事件を振り返ってみよう。記者は2回に渡って行われたハン中尉の調査記録を入手した。軍を、軍の調査を、信頼するのは容易ではない。軍隊に行ってきた人ならよく知っていることだ。行間まで観察し、事実関係を考えてみた。

2013年7月1日、空軍に服務していたキム一等兵が自殺した。この21歳の青年は、高麗大学に通っていて、2013年2月に空軍に入隊した。キム一等兵は将校から頻繁に叱責を受けており、練兵場で体罰に団体駆歩(駆け足)をした後、自殺した。

遺族は将校を苛酷行為容疑で告訴した。軍検察は精神的ストレス以外に、肉体的な苛酷行為があったと見ることは難しいとして、起訴猶予とした。遺族は判断をやり直してほしいと、裁定申請をした。

このことが外部に知られているようになったのはキム一等兵が通っていた高麗大学の学生たちのおかげだ。昨年(2014年)5月、高麗大学にポスターが掲示された。そこには「将校が、キム一等兵に防毒マスクまでつけた完全軍装をさせ、練兵場を何周も回らせた。自分の過失をすべてこの新兵のせいにした」と書かれていた。

このポスターを通じて、問題の将校がハン・ヒョジュの弟という事実が伝わり、SNSで騒ぎになった。正確な事実関係を確認しないまま、またそれができなかったにもかかわらず、正義を叫んだと大学生たちを責めることはできない。それはマスコミがすべきことだった。しかしマスコミはその役割をきちんと果たせなかった。ただ刺激的に報じ蹂躙する(関係者の人権を踏みにじる)ことに汲々としていた。

ある総合編成チャンネル(新しくできたケーブルテレビ局)防毒マスクをつけたまま完全武装での駆け足をさせたと報道したのが代表的だ。防毒マスクをかけたまま完全軍装をして駆け足をする、それがどれほど恐ろしいことか、軍隊に行ってきた人なら経験で知っている。

そしてハン中尉は悪魔になった。誤報だったのだ。2回の調査の結果によると、ハン中尉はキム一等兵に合計2回、武装した状態で駆け足をさせた。一度はハン中尉もキム一等兵と一緒に走った。キム一等兵が亡くなる8日前、ハン中尉はキム一等兵が遅刻をしたという理由で軍装軍歩をさせた。ハン中尉とキム一等兵は、銃は持たずに完全軍装をして練兵場を回った。防毒マスクは使わなかった。

ハン中尉は、10周のうち8周を一緒に走ったと供述した。8周を一緒に回った後、キム一等兵に過ちを問い、もう2周、回らせた。

2回目の完全武装での駆け足はキム一等兵が亡くなる前日に行われた。ハン中尉は、空港に大統領の出迎えに行く団長の制服のボタンがゆるんでいたため、キム一等兵に、ボタンを付け直せと言った。キム一等兵がすべきことだったが、針仕事に自信がないとのことだったので、ハン中尉が代わりにした。 ハン中尉は、ボタンを縫いつけていたために大統領の到着時間が予定より早くなったという電話連絡を受けられなかった。そして団長は、大統領が登場する行事場に着くのが遅れた。

その後、ハン中尉は、兵士を集合させた。ハン中尉は同日、2人の兵士が同時に面会をした事実を知ることになり、重要な行事のある日に、面会が重なったことを注意した。ハン中尉はキム一等兵と同僚兵士の言っていることが違ったため、なぜ嘘をつくのかと叱責した。

ハン中尉と兵士たちは軍装をして練兵場を8周した。ハン中尉は「私は電話を受けなかったミスにより」とし、キム一等兵には「おまえは嘘をついたことにより」と、この罰の理由を話した。ハン中尉は、キム一等兵が嘘をついたと認めなかったため、「うそをつかないようにしよう」というスローガンを叫ばせながら、もう2周、回らせた。

そして、この日の夜、キム一等兵は自らこの世を去った。

軍検察は最初の調査で、キム一等兵の死は犯罪によって発生したのではなかったことが判明し、事件の調査を終結したとした。2回目の調査では、ハン中尉がキム一等兵に嘘をついた事実を認めて改善するよう執拗に要求し、精神的ストレスを与えたが、直接的な苛酷行為はなかったとし、起訴猶予とするという結論を下した。

軍検察は2回目の調査で、ハン中尉が「愛の罰」で内規に違反したことを問題視した。体罰は、中佐以上が指揮官への報告後に行うことができるというのが「愛の罰」の内規だ。日課の時間内に実施しなければならないという規定にも違反し、走る距離は2㎞以内でなければならなかったが、3㎞だったという点を指摘した。

軍検察は、ハン中尉は「愛の罰」関連の内規を破ったが、直接的な苛酷行為はなかったとし、起訴猶予とした。

軍検察は、キム一等兵が残したメモに「最近はあまり記憶できない」と苦痛を訴えていたことと、死亡1週間前に4つの自殺関連サイトに、死亡前日には注意力欠乏過剰行動障害の関連のサイトにアクセスしていた点に注目した。そしてキム一等兵が亡くなった日の1週間後に神経精神科の予約をしていたことなどを考慮し、一般死亡という結論を下した。

健康な、前途有望な青年がこの世を去ったのだが、軍の生活に適応できなくてそうなったと結論付けた。責任はハン中尉にあるとしながらも、苛酷行為はなかったという結論を下した。高等軍事裁判所は検察の決定が正当だとし、遺族の裁定申請を棄却した。

しかし、軍はこの事件が世間に知られ騒動になると、再調査をして、キム一等兵の死を一般死亡から殉職に変更した。苛酷行為は認めなかったが、軍内の自殺ということで殉職としたのだ。責任は取らず、世の中がうるさいから、結論は変えた。遺族としては悔しい限りの結論だった。

ハン中尉が苛酷行為をしたのか、キム一等兵が軍に適応できなかったのか。ハン中尉は悪魔だったのか、キム一等兵が耐えられなかったのか。この青年の死は果たして誰に責任を問うべきだろうか。

軍隊に行ってきた人なら、この点が問題だということを経験的に知っている。自分が耐えてきたから他人にも同様に耐えることを強要する。耐えられなければ、落伍者の烙印を押す。誰もがみな同じではないということを認めない。この烙印を、この烙印を押した人を、烙印を押させる構造を問題とするのが妥当だ。

しかし、そのような議論はいまだに行われず、ハン・ヒョジュの弟が苛酷行為をしたという主張、すなわち別の烙印、そしてハン中尉の家族に石を投げるという行為だけが残った

ハン・ヒョジュは石をぶつけられなければならないのか。仮にハン・ヒョジュの弟が罪を犯したとしても、ハン・ヒョジュが石をぶつけられる理由はない。ハン・ヒョジュが道義的な責任を負わなければならないとするなら、罪人の家族は罪人だ、ということになる。家族にまで石を投げなければならないなら、果たして誰がその石から自由になれるだろうか、誰に石を投げる資格があるのか。

誤った思いこみと誤った正義が、罪のない人を狙い、本当に過ちがあるところには向かわない。

残念なことだ。正義は、正すべきところを正さなければならない。誤った正義を叫ぶ人たちと、誤った正義を伝える人たち、そして誤った被害者が生じることが繰り返されている。それをこれ以上座視するわけにはいかない。

ーー引用終わり

ハン・ヒョジュの弟の空軍中尉が関わった一等兵の死亡事件についてはここに詳しく書いた。

■ハン・ヒョジュ叩きを招いたキム一等兵死亡事件を詳しく見てみよう
http://seouljinseigekijo.com/?p=96

これまで公開されている情報を総合すると、この記事はごく当たり前のことを言っていると思う。

特にハン中尉や軍の肩を持っているという印象はない。

「愛の罰」で完全軍装させて練兵場を駆け足で回らせた、というのが、いじめのひとつの代表的な事例となっているのだが、確かに「防毒マスクまでつけさせて」と一部メディアが報じ、そのイラストなどもショッキングな印象を与えていたのだが、これはあり得ないだろう、という気はしていた。

防毒マスクをつけたまま長時間駆け足をすることなどできるわけがないし、そんな方法は聞いたこともなかったからだ。

ハン中尉が自分もキム一等兵といっしょに走ったという事実もあり得ることだろう。

「愛の罰」が内規に違反していたとしても、その程度の違反は軍内で慣習として行われていた可能性が高い。

古参兵が新兵を殴るという兵士間の暴力は禁止されているのに、ほぼ日常的に行われているのが実態ではないか。

だから、ハン一等兵の行為は、特に突出したものではなく、韓国の軍では、よくあるレベルのことだった、というくらいの認識で済まされてしまった、というのも、悲しいことだが、しょうがない面もあると思う。

亡くなったキム一等兵とそのご家族には、まことにお気の毒だが、いつまでもハン中尉を責めてもねえ…、さらには、姉だという理由だけで、ハン・ヒョジュさんに「石をぶつける」行為をいつまでも続けると言うのも…。

だが、ネチズンは、相変わらず力をこめて石を投げつけている。
この記事に寄せられたネチズンの声は、また後で。

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