「侠女、剣の記憶」、「内部者たち」、「ターミネーター・ジェネシス」。
きのうのアップした「イ・ビョンホン主演『内部者たち』スチール写真を公開」という記事で、すでに撮影が終わっており、公開を待つばかりのイ・ビョンホン出演映画が3本もあり、配給会社が公開にあたって頭を悩ませている、ということを書いた。
■イ・ビョンホン主演「内部者たち」 スチール写真を公開
http://seouljinseigekijo.com/?p=1352
この3作品の配給会社は、今、どういう困難に直面しているのか、もう少しくわしくそのへんの事情を見てみよう。
製作から配給まですべて手がけている大手映画会社というと、日本では、東宝、東映、松竹がビッグ3だが、韓国でこれらに当たるのが、CJエンターテインメント(以下 CJ)、ロッテエンターテインメント(以下 ロッテ)、ショーボックス・メディアプレックス(以下 ショーボックス)だ。
「侠女」はロッテ、「内部者たち」はショーボックスが製作配給する。
まずこの2作品について、この記事をどうぞ。
――引用始まり
●朝鮮BIZ 2015-01-17 16:16
イ・ビョンホン事件でそっぽを向いたファンのために困難に直面した映画「侠女」、投資会社も背を向けたまま
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=101&oid=366&aid=0000241671
俳優のイ・ビョンホンさんが「50億ウォン脅迫事件」の真実攻防(真相究明騒動)に巻き込まれた中、イ・ビョンホンさんが出演した映画の製作配給会社が困難に直面している。
「侠女、刀の記憶」(以下 「侠女」)と「内部者たち」が撮影を終え、現在、上映日程を調整している段階にもかかわらず、この2つの映画に出資したというベンチャーキャピタル(以下 VC)はほとんどない。これから投資する意向があるというVCも見当たらないのだ。
複数の映画投資業界の関係者らの言葉を総合すると、16日現在、「侠女」に投資したVCはタイムワイズ・インベストメントと東門パートナーズだけだ。タイムワイズ・インベストメントの投資金額は約20億ウォンで、東門パートナーズの投資金額は不明。「内部者たち」に投資したVCはまだ1社もないという。
いつも映画に投資をたくさんしているイス創業投資、キャピタル・ワン、大成創業投資、サンス・ベンチャーズは、両映画に投資していない。まだ投資金誘致は完了していないので、投資する方向に変化する余地も残ってはいるが、現在のところ「計画はない」というのがこれらのVCの立場だ。
これらのVCは、2つの映画に投資していない理由をはっきりとは示さなかったが、映画投資業界の関係者らは「イ・ビョンホンさん主演の映画なので、(興行に失敗する可能性があるため)安易に投資することはできない」とした。
イ・ビョンホンさんは最近、モデルのイ・ジヨン容疑者とガールズグループの歌手、キム・ダヒ容疑者から「50億ウォンをくれなければ、性的な冗談をしている動画を公開する」と脅迫された事件で、法廷で攻防を繰り広げた。
15日に2人の「加害者」(このカッコは原文のまま)に実刑が宣告され、事件は一段落したが、事件に関わる裏話が一つ一つ公開され、イ・ビョンホンさんに対する世論が急速に悪化した。イ・ビョンホンさんに失望した人たちは、彼を広告モデルに起用した会社の製品に対して不買運動を行い、彼が出演する映画は見ないという人も増えた。
イ・ビョンホンさんに対する世論が悪化し、「侠女」を配給するロッテと「内部者たち」を配給するショーボックスは、映画の公開時期について悩んでいる。
映画投資業界のある関係者は「『侠女』に投資するというVCはほとんどない。ロッテは、いったん自分の資金で映画の撮影は終えたが、投資誘致に苦戦しているようだ。最近は撮影してから1~2年過ぎると、撮影技法やストーリー構成などが時代遅れのように感じられてしまうため、ロッテとしては公開時点をいつまでも先送りすることもできず、困っている」と話した。
普通、配給会社が投資者を誘致することができない場合、純制作費はまず、配給会社側で負担する。「侠女」の場合、純制作費だけで90億ウォン(約9億円)、広告・広報費用まで合わせると100億ウォン(約10億円)を超える。映画の公開後、収益が上がれば、その一部を投資金額の割合によって各投資会社に分配する。同時に赤字が出た場合も、投資した分だけ赤字を負担しなければならない。このため、配給会社の立場では、投資会社を1社でも多く誘致するほど、後に発生するおそれのある損失を小さくできる。
一方、映画投資業界の一部関係者らは、俳優の私生活と投資の論理は別々に見なければならないと言う。
あるベンチャーキャピタルの映画投資担当の審査役は「映画産業は、コンテンツ産業であり、必ずしも俳優個人のプライバシーによって興行が左右されるわけではない。『侠女』は、映画そのものはよくできていると承知している。しかし、俳優に関連する問題のため、適切な投資を受けることができず、製作会社、配給会社、それから他の出演俳優らが被害を受けないかと心配される」と話した。
――引用終わり
つまり、「侠女」を配給するロッテにしても、「内部者たち」を配給するショーボックスにしても、投資してくれるVCがあまりにも少ないため、もし興行に失敗したなら、莫大な損失を自社だけで抱えることになる。(「内部者たち」は、「侠女」に比べると低予算で製作され、「侠女」よりは小さなダメージで済みそうだが)
これが怖くて、なかなか公開に踏み切れず、いったん公開を延期して、様子をみている状態だということ。
しかし・・・、たとえば、ロッテは、「侠女」に「純制作費だけで90億ウォン(約9億円)、広告・広報費用まで合わせると100億ウォン」もの資金をつぎ込んでいる。この作品は本来、昨年(2014年)12月に公開する予定だった。それが一説には、今年秋以降にずれ込みそうだという。100億ウォンの資金の多くは金融機関から融通しているはず。となると、金利だけでも大変な負担となる。担当者は、神経をすりへらしながら、状況を見守っているのではないか…。
次に、ハリウッド映画の「ターミネーター」のほうを見てみよう。
こちらも、おかしなことになっているようだ。
●ザ・ファクト 2015.01.15 17:58
CJ 「イ・ビョンホンが出演する「ターミネーター」の配給を取り消し 昨年12月に決定
http://news.tf.co.kr/read/entertain/1474966.htm
――引用始まり
俳優のイ・ビョンホンが出演して話題を集めたハリウッド映画「ターミネーター・ジェネシス」(以下 「ターミネーター」)の国内配給会社が変更された。
CJの関係者は15日、ザ・ファクトに「CJが配給すると決まっていたわけではない。『ターミネーター』は配給を検討していた作品だ」と明らかにした。
この関係者は「昨年の12月に配給しないことが決まった」とし、「イ・ビョンホンの事件のせいで決まったのではない」と話した。
CJは2006年からハリウッドのパラマウント・ピクチャーズの国内配給の大半を代行してきたが、この作品の配給には関与しないことになった。
今回の「ターミネーター」の場合は、製作会社のパラマウント・ピクチャーズが映画版権代行ではなく、版権自体を国内の配給会社に売ったことが明らかになった。 新たに版権を買った配給会社はまだ明らかになっていないが、有力な候補と目されたロッテは版権を買っていないとしている。
――引用終わり
「版権自体を国内の配給会社に売ったことが明らかになった」ということは、ロッテではないにしても、配給会社は決まっているようだ。
しかし、韓国の東宝ともいわれる最大手のCJが手を引いたというのは・・・。
まぁ、それでも、世界展開をしているハリウッド映画の「ターミネーター」はともかくとして、国内が勝負の「侠女」と「内部者たち」は、非常に深刻な状態にある、ということだけは確かなようだ。
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