大統領と副社長 大きな権力を持つ人らしく…

チョ・ヒョンア大韓航空副社長の引き起こした騒動ついて考えていたら、この記事が目に留った。政局問題や検察が捜査している事案についてのパク・クネ大統領のいくつかの発言。それは適切なのか、それとも不適切なのか、ということに関するものだ。

●国民日報 2014-12-09 02:30
秘密ラインの実力者の国政介入疑惑
「大統領発言が捜査のシナリオを左右」 vs 「重大な事案についての言及は当然」
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=100&oid=005&aid=0000713503

 

 

――引用始まり

パク・クネ大統領は今月1日と7日に、秘密ライン(原語は「秘線」、大統領が密かに会っている人たち)の実力者の国政介入疑惑を一蹴した。この発言は、現在進行中の検察の捜査にガイドラインを示すことになったという主張が野党を中心に出ている。

大統領が前面に出て「秘密ラインなどない」と先に線を引いてしまうと、捜査主体が捜査の方向を限定し、その後出される結論もそれに縛られてしまう、という趣旨だ。しかし、長期間、国政を揺るがす事案について大統領が原則論の下で言及することをガイドラインと見る見方自体が偏っているという反論も強い。

パク大統領は7日、チョン・ユンフェ氏やイ・ジェマン大統領府総務秘書官など、いわゆる「鍵番(大統領の執務室の鍵を握っている)権力3人組」関連の疑惑に対し、真っ向から反論した。チョン氏と秘書官はもちろん、弟のパク・ジマンEG会長にまで言及し、これまでに提起されてきた疑惑を一蹴した。

文書の真偽については「チラシに載っているレベルの話」とし(「チラシ」というのは、日本語のチラシのことだが、報道でよく使われ、ここで大統領が使っている「チラシ」は、「噂やデマなど、信頼できない情報」という意味。日本語がこういう悪い意味を表す言葉として変質して残った典型例) 「大統領府の実力者は珍島犬」とも述べた(「大統領府の実力者は珍島犬」というのは、「大統領府に自分以外の実力者などいない。いるとすれば、自分が飼っている珍島犬だ」という冗談めかした表現。やや場違いな冗談という気もするが)

新政治民主連合はこれをめぐって「疑惑そのものを否定するガイドラインを検察に確実に提示したもの」と批判した。

パク大統領は、セウォル号惨事から1カ月後の5月19日、大統領の対国民談話で、セウォル号の船長と乗務員たちの行動を「殺人行為」と規定した。パク大統領は当時、「数百人を捨てて逃げた船長や乗組員の無責任な行動は、事実上殺人行為」だとし、「先進国の中には、大規模な人命被害をもたらす罪を犯した者に対し、数百年の懲役刑を宣告する国家もある」と語った。

パク大統領は昨年8月6日にも、2007年の南北首脳会談の対話録が紛失した事態について強く批判した。当時、閣議で、パク大統領は「重要な史草が蒸発したのは前代未聞のこと。国基を揺るがし、歴史を消すことで、絶対あってはならないこと」とした。 (史草とは、歴史書を編纂する時の原稿のこと。朝鮮王朝では歴代の王が死ぬと、その王の「実録」なる歴史書を作成していた)

パク大統領のこのような発言が適切だったかどうかについては意見が分かれている。まず、犯罪容疑についての判断は裁判所が下すものなのに、大統領が直接、容疑や量刑に言及したのは、司法部に対する干渉になり得るという指摘がある。一方、大統領の発言を原論的に見る必要があるという見解もある。国民の前で、政府の厳正な弊害根絶への意志を強く表現するレベルから出た発言で、これを司法権への侵害とみなすのは行過ぎた解釈だという意味だ。

大統領府は、パク大統領の最近の「秘密ラインの実力者」関連の発言は、そういう疑惑にはまったく根拠がないということを強調したにすぎないとしている。

大統領府関係者は8日、「これまでに提起されてきた疑惑の核心は何か。いわゆる秘密ラインの実力者による国政の壟断(利益や権利を独り占めすること)ということではないか。そのような疑惑に対してパク大統領は『そんなことは絶対にありえず、したがって絶対に動揺しない』とおっしゃった」と話した。

与党関係者も「大統領の発言を検察捜査のガイドラインと見る見方に問題がある」とした。また、今回のように、国政を混乱させる事案が発生した場合、パク大統領が、それについてまったく言及せず、沈黙を守ることが正しいのか、という声もある。

――引用終わり

私はまず、セウォル号の船長や乗組員の行動を「殺人行為」と公言したのは間違いだったと思う。重大な事案であるため何らかのコメントをするにしても、ただでさえ発言の重い大統領の言葉として「殺人」などというどぎつい言葉はまったく不適切だった。このいささか感情的な発言に大統領の資質に疑問を持った人も少なくないのではないだろうか。

しかし、南北首脳会談の対話録が紛失したことについて、閣議で、「絶対あってはならないこと」と発言したのは適切、まったく問題ないと思う。

それで、今、韓国の政界で大騒動になっている秘密ラインの件だが、この事件にはもともと2つのポイントがあった。1つはほんとうに秘密ラインの実力者が存在し、国政に介入しているのかどうか。もう1つは大統領府の秘密文書がどうして外部に流出したのか。

検察は本来、この2つの点を捜査しなければならないのだが、大統領本人が「秘密ラインなどない」と宣言してしまったため、検察は、この点の捜査に及び腰になってしまい、もっぱら、もう1つの点である文書流出の経緯のほうに力を傾けている。

これが「大統領が捜査のガイドラインを示した」と批判される部分だ。

私は、大統領が「秘密ラインなどない」と発言したのは、やや乱暴なので、適切とはいえないにせよ、特に問題はないと思う。大統領本人にも関係する疑惑でもあるから。

が、問題は、その発言によって、それがガイドラインとなって、検察が秘密ラインの存在と国政への介入についての捜査を停止してしまう、という点。

チョ・ヒョンア大韓航空副社長の「指示」で、動き出した飛行機をゲートに戻して、乗務員事務長を降ろして、そのまま飛び立った機長と、この捜査を担当している検察は、絶大な権力者にひたすら従順だ、という点でまったく同じである。

こういう韓国の風土にあっては、大きな権力を持つ人は、立派なお方だと、下の者たちから慕われ、敬われるようにふるまうことが、特に大事なのではないかと思う。

そういう意味では、パク・クネ大統領も、チョ・ヒョンア大韓航空副社長も、このへんで、平素からの自分のふるまい方を少し点検してみてはどうだろうか。

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