韓国人女性教授の韓流考察(2)韓流の成功は韓国政府のお陰?

海外のマスコミは韓流が成功した要因を分析する記事をたびたび掲載している。そして、その大きな要因として、韓国政府の支援を挙げている。はたしてそうなのか?

この点について韓流研究者ホン・ソッキョン/ソウル大学教授(女 言論情報学科)は、そういう見方は「最も安直で、話にならない」とし、以下のように説明する。
第2回「イカゲーム、寄生虫、BTS…韓流の成功は韓国政府のお陰?

▼韓流の成功は数十年にわたる野心的な政府の計画の賜物?
文化というものは物質的に投資して結果が出るものではない。これは全世界が知る事実だ。投資するだけでできるなら、ハリウッドから出るものはすべて成功するだろうし、中国政府の支援を受けた中国文化物こそ外国で最も成功するはず。しかし、そうはならない。

韓国は急速に経済成長した。経済開発5カ年計画などで、経済発展に国家がどのような役割を果たしたか、外国もよく知っている。韓国市場は小さいから、輸出主導型に進まざるを得なかった。そういう経済成長の論理を文化にまで適用してしまっている。韓国政府も文化産業の重要性を強調し、そのような方向で対外広報をしてきた。その影響もあるだろう。海外で発表された韓国学論文を見ると、単に政府が支援して韓国大衆文化産業が成功したと見る事例を確認できる。

しかし、それは韓国の文化的能力への過小評価であり、オリエンタリズム的な見方が反映されていると思う。韓国だけが、政府が文化産業を支援しているのではなく、多くの国が同じことをしている。

韓国は急速に経済成長して先進国の仲間入りを果たした。その経済的能力、技術的能力までは認めるが、世界は、文化的能力はまだ認めがたいのだ。過去、植民地であり、戦争や貧困を経験し、開発途上国だった国が、どうして他の国を侵略せず、これほど早く経済的に成功しただけでなく、全世界に文化を輸出する能力まで獲得できたのか、世界はこの点を問い続けている。

たとえば、英国の有力紙ザ·タイムズは「韓流! 韓国文化はどうやって世界を征服したのか」という見出しの記事で「私たちはみんなK-ファンだ。『イカゲーム』のような輸出商品の人気は偶然ではない。 数十年にわたる野心的な政府の計画の賜物である」と記した。

韓流が政府の政策の結果だとする見方は、政治・外交や経済的側面を強調したものだが、経済発展を遂げた韓国政府がソフトパワーも得るために努力した結果が、今日の韓流の成功につながったと説明する。

もちろん、そのような側面を完全に排除することはできない。政府が支援し、努力したことも事実だ。しかし、だからといって緻密に設計された政府の政策によって大衆文化を発展させ、海外へ輸出までできるようになると考えるのは、変化に富む文化の本質と自律性を無視し、何か他のものの従属的な位置、その手段としてのみ考える見方に通じる。文化に対するこのような誤解は、実は日常で幾度となくぶつかること。

▼国家の役割とは? ベンチャー企業支援とITの発展
金泳三政権時代に「ジュラシック·パーク」に触発された文化産業論が生まれ、金大中政権時代、通貨危機以降に、文化を新たな成長動力にするために集中投資した。これが韓流の源泉だった、という説をよく聞いた。

もちろん、国の役割がなかったわけではない。金泳三、金大中政権で政府がしたことは韓国社会が民主化した後だからこそ可能だった。

金泳三大統領は1993年、スティーヴン·スピルバーグ監督の映画「ジュラシック·パーク」が公開されたとき、「映画1本の興行収入が自動車150万台を輸出するのに匹敵する」として映画産業の重要性を強調した。しかし、当時、金泳三大統領は、韓国がハリウッドに映画を逆輸出することになるとは思ってもいなかっただろう。ただ、文化はこれだけカネを稼ぐことができるのだから、私たちもこの分野について深く考えてみようとうことだった。金大中政権の時、投資が増えたのは事実だが、その膨大な投資は大衆文化よりは高級文化の方に流れた。

文化支援政策よりも、あの頃、ベンチャー企業を支援したことが、文化技術の開発に役立ったと考える。それからITの発展が大きな役割を果たした。韓国は、国民が手にモバイルを持ち、超高速インターネットで多くのものを見ることができ、外国のものもたくさん見て、センスを磨き、自由に表現するようになった。

韓国で作った多くのプログラムは、放送された瞬間、ストリーミングでいくつかのサイトから流される。もちろん著作権侵害であり、違法なのだが、この力が結局は韓国のコンテンツを全世界に広める重要な役割を果たした。韓国に超高速インターネット網がなかったら不可能なことだった。韓国政府が民主化以後、様々な大衆文化に対する検閲をなくし、日本の大衆文化も開放し、また当時、中国も文化開放をするなど、様々な条件が作られた。韓国政府は文化の支援に努力した。しかし、それで韓国の大衆文化が輸出されるようになったのではない。

▼韓流は受容現象だ
韓国政府は、韓国料理や韓服(ハンボク)のグローバル化に向けても努力したが、あまり成果がなかった。成功は常に予想外のところで、驚くべき方法で私にたちに近づいてきた。草創期の東アジアの韓流であれ、最近のBTSであれ、「イカゲーム」であれ、すべて「受容現象」なのだった。世界中のたくさんの人々が韓国ドラマや韓国映画、Kポップを愛するからこそ、受容される。愛されるだけのコンテンツを私たちは作り出せた。文化産業の水準が上がったからこそ可能だった。政府がリードして、輸出しようとしても、できることではない。

Kポップに対する西欧のマスコミの論調は批判的でもある。もちろん、韓国の練習生システムに問題が多かったのも事実。Kポップというと、だいたい否定的なニュアンスで、芸術性のない工場商品だとして無視する空気があった。

これは確かにある。韓国のアイドルシステムは、韓国内でも自己批判を多くするほど問題があった。今、外国のこうした見方をかなり和らげたのがBTSだ。BTSは「ヒップホップアイドル」として、ヒップホップという自分のアイデンティティを強く持っていた。ヒップホップは自分の声で話さなければならない、私たちが真正性(authenticity)と呼ぶものが本当に重要なジャンルだ。

BTSはこのジャンルで成功した。成功というのはアメリカで認められたということ。批評家も認めざるを得なかった。ただビルボードチャートでトップに立ったからではなく、BTSが自ら自分の声で歌詞も書き、作曲もするグループだということで、認めざるを得なかった。西欧の基準で「芸術家」とするには、必ずこのような自発性、自己創意力を持たなければならない。

基準が非常に高くなった。歌やダンスだけ上手なのではなく、作曲もしなければならず、あらゆることをしなければならない。それで、能力のある若者がたくさんチャレンジしている。過去、韓国で成功する道は、良い大学に入ることだったが、そうでない別の道が開かれ、多くの若者が入ってきており、とても活性化されている。
(ホン教授の話の要約はここまで)

ホン教授に言葉を返すようだが、私が見るに韓流の場合、政府が果たした役割は大きかったと思う。それが土台にあって、その上に、世界中から愛されるコンテンツが続々と誕生した。そう見るべきだと思うのだが…。

この記事へのネチズンの反応。

韓流は、ゴミみたいな政治家ゴミたちが作ったのではなく、時代の流れをよく知っていたエントテインメント関係者たちのおかげだ。
共感236 共感3

(政治家たちは韓流の成功に)またあやかろうとするのか? いやしい。
共感93 共感8

そうだね。文在寅政権が国民を悲惨な状況に追い込んだから、イカゲームみたいな現実的なドラマが出てきた。その意味では政府の「お陰」か。
共感48 共感8

韓流が政府のお陰だというのは、それこそ、犬の鳴き声であり、ゲーム産業であれ、音楽であれ、放送コンテンツであれ、規制しかなかっただろうに。邪魔しただけで役に立ったことはない。
共感3 共感0

イカゲーム制作、BTS進出などに現政権は期間中にどのような支援をしたのか? KBSでイカゲームのようなコンテンツで放送されるのか? 毎日、非倫理的なドラマばかりのくせに、暴力的だ、扇情的だと、フェミの意見に引きずられる政府と、その下の放送局が何か支援したのか? 邪魔だけはしまいでほしい。
共感2非共感0

韓国の政府や政治家が、映画やドラマなどに多くのアイテムや素材として使えるものを提供しています。 wwwww
共感2非共感0

CJのおかげだよ~!! サムスンのおかげだよ~!!
共感2、共感1

あり得ないこと? 政府が口を挟んだ瞬間、滅びる。 そっとしておけ。うまくやるから。
共感1、共感0

韓流のお陰を一番多く受けたのが政府だろう。
共感1、共感0

う~ん、ネチズンは私とは違う見方が多く、ホン教授の考えを支持しているようだな。

しかし…、「イカゲーム」が描いた恐ろしいサバイバルの現実。これは、ネチズンも言うように、韓国社会を反映している面がある。

ホン教授は「過去、韓国で成功する道は、良い大学に入ることだったが、そうでない別の道が開かれ、多くの若者が入ってきており、とても活性化されている」と話しているが、この「別の道」こそが屍累々の、まさしく「イカゲーム」の世界でもある。

★いつもお手数をおかけします。2つのバナーをポチッ、ポチッとお願いします。

にほんブログ村 芸能ブログ 韓国芸能人?タレントへ
にほんブログ村

韓国ブログランキングへ


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください