韓国映画の観客動員数4年連続1億人超え(人口5000万で)を冷めた目で眺めるネチズン

この記事の続き。

■韓国で、韓国映画の年間観客動員数、4年連続で1億人超え(人口5000万で)
http://seouljinseigekijo.com/?p=4530

上の記事の中のこの記事に寄せられたネチズンの声を見てみよう。

●京郷新聞 2015.11.30 午後 2:53
人口は5000万なのに、今年、韓国映画の観客動員数はすでに1億人
http://entertain.naver.com/movie/topic/read?oid=032&aid=0002655196

 

底辺の人間でも楽しめる、金のかからない余暇活動が映画館ということ。
2015.11.30 午後 2:58 共感 142 非共感 13

本当にたくさん映画館に行くんだね ㅋㅋㅋ
2015.11.30 午後 3:13 共感 123 非共感 6

経済が悪いほど、繁栄する産業が2つある。ゲームと映画だ。低コストで高効率の満足感が得られる ㅋㅋ 今、ゲーム産業も大成功だ。この頃のゲームの広告には、イ・ビョンホン、イ・ジョンジェ、チャ・スンウォン、チャン・ドンゴンとトップスターが総出演だ ㅋㅋ
2015.11.30 午後 3:27 共感 110 非共感 12

なぜ1億人も見ているのに不満なの???
2015.11.30 午後 2:58 共感 81 非共感 14

本を読むのは嫌で、その金で2時間つぶせるのが映画。
2015.11.30 午後 3:07 共感 75 非共感 14

正直言って、友達と外で簡単にできることはPC房(ネットカフェ)、食事、歌房(カラオケ)、映画館、サウナくらいかな? …
2015.11.30 午後 3:42 共感 54 非共感 1

ご飯を食べて、ドライブして、映画見て語り合い、酒飲んで、ショッピングして、遊園地へ行く。この中では、映画とドライブが恋愛初期に最も親しくなりやすい。
2015.11.30 午後 3:54 共感 33 非共感 4

実は、ミュージカルや演劇のほうが映画より直接見られて楽しいのだが、映画よりチケットの値段が高い。特にミュージカルは映画数本分もするので、景気の悪いこの頃は、ミュージカルより映画がよく見られるのだろう。
2015.11.30 午後 5:35 共感 25 非共感 1

スクリーンクォーター・デモは、なんでやったんだろう。(「スクリーンクォーター」とは以前、韓国映画を洋画から守るために一定の割合のスクリーンを韓国映画の上映に割り当てるとした制度)
2015.11.30 午後 2:59 共感 36 非共感 17

メガボックス(シネコン)なら8000ウォン(800円)で映画が見られるからね。
2015.11.30 午後 3:33 共感 11 非共感 0

う~む、映画関係者は祝杯を上げていると思うのだが、ネチズンは、わりと冷めた目でこの快挙を眺めていることが分かる。

それから、この聯合の報道は、たくさんのメディアが取り上げたものの、ほとんどの場合、そのまま引用するだけで、特に論評はしていないのだが、TV朝鮮が、こういう指摘をしている。

しかし、映画市場の慢性的な問題は相変わらずです。

映画界の中心となる観客動員100万から500万人の映画の数は減っており、多様性映画が居場所を失っている点も解決しなければならない課題として残っています。

●TV朝鮮 2015.12.01 午後 9:47
[大成功!] 韓国映画の観客 4年連続で1億人突破
http://entertain.naver.com/read?oid=448&aid=0000135388

「多様性映画」というのは、作品性、芸術性に優れた小規模・低予算映画。商業映画とは対照的な映画のこと。

確かに、そういう傾向はあるかもしれない…。

前の京郷新聞の記事にあった今年夏以降のヒット作を見てみよう。

「暗殺」「ベテラン」「思悼」「黒い司祭たち」「内部者たち」

「暗殺」と「ベテラン」は1000万超え、「思悼」が600万、「黒い司祭たち」と「内部者たち」も500万は超えると予想される。

すべて大ヒット作だが、作品性、芸術性に優れているかというと、もうひとつと言うべきかもしれない。

「暗殺」は1930年代の上海臨時政府による親日派狩りを描いた歴史物ではあるが、アクション・バイオレンス系であり、「ベテラン」と「内部者たち」も社会派的ではあるが、やはり男たちの戦いの話。「思悼」は李朝時代の王と王子の不幸な父子関係を素材としているが、やはり激しい党争を背景に、王子が米びつに閉じ込められて8日後に亡くなるという残酷物語。「黒い司祭たち」は韓国版エクソシストで、壮絶な悪魔払い様子を描く。

共通するのは、非常に刺激的な内容だということ。青少年観覧不可等級の「内部者たち」では、主人公のひとりが身体の一部を切断される凄惨なシーンまである。

そして圧倒的に俳優(男たち)中心だということ。「暗殺」の主役のひとりは女優のチョン・ジヒョンではあるが、女だてらにライフルを持って暗殺に向かい、イ・ジョンジェ、ハ・ジョンウらの俳優と共に活劇を繰り広げる。それから「黒い司祭たち」で若手女優のパク・ソダムが高い評価を受けたが、悪霊にとりつかれた少女の役で、その破格の憑依(ひょうい 霊などが乗り移ること)演技がすばらしかった、というもの。女優がその女性的魅力を惜しみなくスクリーンで表現した、というのとはちょっと違うだろう。

恋愛映画やヒューマンタッチの心温まる作品などは、ひとつもない。

パ~ッとストレスを晴らしてくる痛快なのが求められているのだ。

時代を反映しているというか、厳しい暮らしを送る韓国の庶民は、映画館に集って、みんなでカタルシスを得ようとしているのだろう。その期待に、十分に応えてくれる作品こそが、みんなの熱狂で迎えられる。こういう娯楽としての映画のあり方というのは、ジョージ・オーエルの「1984年」の世界に通じるのではないかと思う。

ネチズンのやや自嘲的な見方は、そういうことがよく分かっているからなのかもしれない。

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