済州地検長はバーバリーマンだった

(1)地検長、わいせつ行為で現行犯逮捕
2014.08.16 
韓国では検察と警察というのは、あまり仲がよくない。
捜査の権限などをめぐって対立している、ということがしばしば報道されている。
そんな警察側が発表した検察のある地検のトップの犯した行為であるため、
やや疑念がないではないのだが、なんとも珍妙な事件が起きた。

きょう、8月16日、済州地方警察庁は数日前の12日晩に起きたわいせつ事件に
ついて発表したのだが、犯人はなんと、現職の済州地方検察庁のトップだった。

聯合ニュースが大きく報じている。

聯合ニュース
済州地方検察庁長がわいせつ行為で現行犯逮捕されたいきさつは
http://news.naver.com/main/ranking/read.nhn?mid=etc&sid1=111&rankingType=popular_day&oid=001&aid=0007070865&date=20140
816&type=1&rankingSeq=1&rankingSectionId=102

いったい何が起きたのか? まずは記事を翻訳引用する。

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(引用始まり)
現職の地方検察庁のトップがわいせつ行為の現行犯で逮捕されるという、
史上初の出来事が起き、警察では監視カメラの映像を確保、精密分析している。

当事者であるキム・スチャン(52)済州地検長は、警察がわいせつ行為をした人と
身なりが似ている自分を誤認したため起きたこととして、容疑を強く否定している。

事件を再構成すると、こうだ。

16日、済州地方警察庁によると、女子高生A(18)さんは12日夜、家に帰る途中、
済州市中央路近くのある粉食店(粉物を売る軽食店)の前で、一人の男性が酒に
酔ってズボンのジッパーを下ろしてわいせつな行為をする場面を目撃した。

驚いたAさんは叔母さんと叔父さんに電話をかけて「怖くて家に帰れない。
警察に通報して」とお願いした。

電話を受けた叔父さんは12日午後11時58分に112(日本の110に相当)に通報した。
通報を受けた済州東部警察署、地区隊所属のキム警衛など2人は、パトカーに乗って
出動し、飲食店の周辺を回った。

警察は粉食店の軒先のテーブルに座った男性がパトカーが近づくと席を離れ、
早足で10m余り移動するのを見て、逃走していると判断、男性を逮捕した。

キム警衛らは「顔は確かではないが、身なりが似ている」というAさんの言葉を聞いて
13日午前0時45分、飲食店の近くでキム地検長を、わいせつ行為をした疑い
(公然わいせつ)で逮捕した。

当時、キム地検長は青い上着と白いズボンを着ており、逮捕された地点は済州地検の
官舎からさほど遠くない場所だった。

※元記事を開くと、記者会見しているキム・スチャン(52)済州地検長の顔のアップが
見られます。かなり堂々としていますね。

(2)地検長、容疑を否認
2014.08.17
(記事の引用の続き)
当時、出動した警察は最初に知らされたようにキム地検長が泥酔状態で
ズボンのジッパーを下ろして性器を取り出したのを見たという112通報とは違い、
「酒に酔っているようではなかった」と話している。

キム地検長は警察の取り調べで、まず自分の名前ではなく弟の名前を告げ、
指紋照会の結果、身元と指紋が違うことが明らかになったため、後から、正しい
名前を明らかにしたという。

彼は留置場で一夜を過ごし、翌日の午前に釈放されたが、警察がわいせつ行為を
した人と身なりが似ている自分を誤認して起きたことだとし、容疑を強く否認している。

警察は事件を、警察庁女性青少年課性的暴力捜査隊に移して捜査を進めている。
性的暴力捜査隊は、男が粉食店の前でわいせつ行為と見られる行動をしている
様子が映っている監視カメラの映像を確保し、その男がキム地検長なのかどうか、
精密分析している。

キム地検長は、聯合ニュースとの通話で「みんな知っている事実だが、私はお酒が
好きではなく、散歩することを好きだ。官舎近くを歩いて行っていたら、いきなり警察が
車を止めて逮捕し、結局、取り調べまで受けた。

酒に酔った状態でもない、わいせつ行為はしていない。
最高検察庁監察本部で確認中なので、すぐ真相が明らかになるだろう」と話した。

警察の取り調べの過程で、身分を明らかにしなかった理由については「済州地検長が
起訴されたという内容が公開されれば、事実とは関係なく、恥をかくおそれがあったので、
そうした」と釈明した。
(引用終わり)

(3)本人確認で、弟の名前を告げる
2014.08.17
さて、事実はいかに…。
キム地検長は、本当に、そういう公然わいせつ行為をしたのかどうか…。

私の心証では、かなり黒に近い。

まず女子高性のAさんがあえて嘘をついて、叔父さんに警察に通報してもらった、
ということは考えにくい。そんなことをする動機がないではないか。

とすると、そういうことをした男は事実としていた。
そして、地検長はそのわいせつ行為がなされた場所にいて、その男と身なりが似ていた。
さらに、パトカーがやってきたら、突然、歩き出した。
これはやはり何か後ろ暗いことがあったのではないかと思う。

酒に酔っていたかどうかは関係ないでしょ。Aさんにはそう見えたというだけのことで、
酒に酔っていなくても、そういう行為をする人はするもの。

ま、しかし、ストレスがたまってたんだろ、ってことで、ぼくとしては、この公然わいせつ行為
自体には大して関心がないのですよ。日本でも、学校の先生、しかも校長先生などが
おかしな事件を起こしたりしていますから。

ぼくが驚いたのは、キム地検長が、警察の取り調べで最初に行われる
本人確認で、弟の名前を言った、というところ。

ぼくが、この件を記事化することにしたポイントは、わいせつ行為自体ではなくて、
むしろ、ここにあるのです。

(4)「最高検がうまく処理してくれるだろう」
2014.08.18日
本人確認というのは、取り調べでも裁判でも、一番最初に行われる手続き。

何百回か、何千回か、自分自身が被疑者らに対してこれを行ってきたベテラン検事なんだから、
その重要性は十分わかっていたはず。

この本人確認で虚偽を述べれば、その後、非常に不利に働く。

また、嘘をついたところで、指紋(韓国では国民は全員登録)を調べれば、すぐにばれてしまう、
そんなことはベテラン検事、いや、そうとうに無識(韓国でよく使われる言葉。無教養。学がないこと)
な人でもわかるわけじゃないですか?

みんな、この点が不思議だと思うのではないかと思うのです。
(だから、聯合の元記事でも、この点を確認し、最後に記している)

本人はその理由を「済州地検長が起訴されたという内容が公開されれば、事実とは関係なく
恥をかくおそれがあったので」と言っているのだが、いや、この件の起訴云々以前に、
本人確認で虚偽を述べること自体が犯罪なんだって。

さらに、あなたの立場でそんなことをしてもまったく無駄。警察によって、すぐに本人確信されて
しまうんだから。そして、そんな事例は、これまでにたくさん見てきたでしょ、あなたは、職業柄。

いざ自分が逮捕されたら、気が動転してしまって…ということもわからないではないが、
あえて、後日一番、トラブルになりにくい弟の名前を選んだ、という点を見ると、冷静な判断も
うかがえる。

とっさに嘘をつく。とりあえず、嘘をついて、その場を切り抜けよう、という処世法がある程度、
身になじんでいる、つまり癖になっている人ではないかとも思う。

こういう人は、けっこういるし、私もそういう場面に何度か出くわしたことはある。

しかし、どうにも信じがたいのは、このレベルの人が長年、検察官を務め、
現在は地検のトップという高い地位にある、ということ。

まさに、こういう事実が衝撃的なんですよね、ぼくには。

わいせつ事件そのものについては「最高検察庁監察本部で確認中なので、すぐ真相が明らかになるだろう」とのこと。

やっぱり、警察じゃないんだな、身内頼みなんだよね。
最高検のほうでうまく処理してくれるだろうと。特権意識や甘えが見えるね。

警察では心証は黒であっても証拠という点からは、監視カメラの映像の内容にもよるが、
Aさんとは別の目撃者でも出てこない限り、断定が難しい。

一方、検察は頭をかかえていることだろう。

事件自体はAさんがショックを受けたという以外は実害のない軽微なものであるが、検察の
名誉と威信がかかっている。わいせつ行為があったと認めても認めなくても波紋を呼ぶ。

どうするのかねえ…。

(5)キム済州地検長、突然、辞任
2014.08.19
キム・スチャン地検長が辞任したようですね。
この記事が報じています。

KBS
キム・スチャン元済州地検長「わいせつ行為」事件当日を再構成
http://news.kbs.co.kr/news/NewsView.do?SEARCH_NEWS_CODE=2914078&ref=A

きのうの18日、キム地検長が辞表を出し、法務部も受理して免職処理したとのこと。
記事は「懲戒もなく辞表を受理し、事件を急いで収束しようとしているという批判が
提起されている」と結んでいます。

それから、この記事によると、女子高生のAさんは、身なりだけではなく、容貌に
ついても、額が少し禿げていたと証言し、この点も、キム地検長と合致したらしいです。

あとは、とりあえず警察の発表待ちですね。
監視カメラの分析の結果について…。

(6)地検長のズボンから出てきた「化粧品類」
2014.08.19
状況は、キム地検長(元)にとって、どんどん不利に傾いております。

ソウル新聞
キム・スチャン済州地検長免職…”キム・スチャン済州地検長、わいせつ行為で
使用したと推定される所持品を押収”
http://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20140819500050

この記事によると、キム地検長のズボンから「わいせつ行為で使用されたと
推定される化粧品類が発見され、警察は状況証拠として確保したとのこと」。

化粧品類というのは何だろう? すべりをよくするためのローションかなんかなのかねえ…。

また、済州地方警察庁はこの17日午前、ブリーフィングで、事件当日、一人の男性が
わいせつ行為をしているとみられる監視カメラ映像を確保し、国立科学捜査研究院に
鑑識を依頼したと明らかにした、とのこと。

鑑識中の監視カメラ映像には、身元不明の男性が1時間ほど、ズボンを下ろして
わいせつ行為をしている場面が映っていたという。

1時間ほど、ズボンを下ろしてわいせつ行為

直訳です。1時間は長いなあ。
が、これらの内容から考えて、単に露出していただけではないね。

ああ、恥ずかしい…。
キム地検長の奥さんは、どんな思いで報道に接していることだろう…。
相当に混乱していることだろう。ああ、かわいそうだ。
子どもとか(特に娘)いたら、と思うと。

(7)元済州地検長、万事休すか
2014.08.19
キム・スチャン(52)元済州地検長は、警察に捕まったて取り調べを受けた際、
最初の本人確認で弟の名前を使ったのとは別に、もうひとつ嘘をついていた
ことが明らかになった。

聯合ニュースが、さきほど報じた。

聯合ニュース
警察「監視カメラで、わいせつ行為の場面を確認…男性1人だけが映っていた」
http://news.naver.com/main/ranking/read.nhn?mid=etc&sid1=111&rankingType=popular_day&oid=001&aid=0007074988&date=20140819&type=1&rankingSeq=1&rankingSectionId=102

記事によると、キム元地検長は、「散歩をしていたら、上り坂で汗をかき、
(ひと休みするため)問題の食堂(粉食店)の軒先のテーブルに座ったところ、
他の男性がすぐに席を立って姿を消した」と、
つまり、わいせつ行為をしていた可能性のある、身なりなどの似た別人がいて、
その人と間違えられた、というふうに説明していたらしい。

かなり、苦しい説明だが、監視カメラにより、これが嘘と判明した。
現場には、1人の男性しか映っていなかったのである。

また記事には、こうもある。

「警察は13日0時45分に金地検長を現行犯で逮捕し、済州東部警察署吾羅地区隊で
所持品検査をした当時、ズボンから15センチの大きさのベビーローションが出てきたが、
わいせつ行為機具ではなかったため、写真を撮って再び返したと主張した」

先行記事にあった「化粧品類」というのは、ベビーローションだったらしい。
物証として押収はしなかったようだが、きちっと写真は撮っているわけだ。
どう考えても、単なる散歩には不要のものだろう。

警察は監視カメラの映像の具体的な内容は明らかにしていない。
警察はその理由を「監視カメラには、わいせつ行為とはっきり言えるだけの映像が
映っているが、具体的な行為を話すと、捜査に影響を与えるおそれがあるため
公開できない」と説明したという。

もう万事休すというしかないのではないだろうか。

(8)元地検長、「変態」の烙印を押される
2014.08.19
さきほど聯合ニュースが報じたこの記事には、非常に興味深い内容が記されていた。

この記事はきょうの午後4時頃(08-19 15:53)に入力され、午後7時頃(08-19 19:07)に
最終修正された。

聯合ニュース
済州地検長のわいせつ容疑は事実と結論される可能性が高まった
http://news.naver.com/main/ranking/read.nhn?mid=etc&sid1=111&rankingType=popular_day&oid=001&aid=0007076093&date=20140819&type=1&rankingSeq=1&rankingSectionId=102

地元警察は、今回の事件の犯人が金地検長である可能性が非常に高いと見ているという。

記事から引用する。

警察(逮捕した当事者)は「キム地検長はとても当惑して顔を赤くしながら、
しどろもどろを続けたが、結局、逮捕に素直に応じた」とし、「自分にやましいことが
あったためにそうしたのであり、それは変態性欲者の行動と似ている」と説明した。

警察は「以前に検挙されたいわゆる『バーバリーマン』も非常に平凡なサラリーマンだった」などと付け加えた。

「バーバリーマン」というのは、韓国で、ひと気の少ない繁華街や住宅街などで時々
出現する、いわゆる露出狂。バーバリーコートを着込んでおり、その下は全裸。
若い女性の前に飛び出して、バッと開帳して、あれを見せつけ、驚かせて喜ぶ、という
方法から、この名が生まれた。

警察は、実際にキム地検長を現行犯逮捕した時、彼は酒に酔っておらず、
人権保護という点から手錠はかけなかったと明らかにした。地区隊に連行されてきた後も、キム地検長はとても上品で、口論などはしなかったと、当時の状況を伝えた。

警察は「今回の事件は検察と警察との対立とは関係なく、個人的な逸脱行為であり、
検察と警察の葛藤という観点から話を進められると、私たちも立場上、困る”と話した。

なにしろ相手は、済州道の捜査機関のトップに君臨する人。末端の警察官からすると
雲の上の人と言っても過言ではない。またこの一連の記事の冒頭で述べたように、
韓国では検察と警察の関係があまりうまくいっていない。そういう事情があったもので、
ということで、このように素直に述懐している。

警察は「もし逮捕当時、キム地検長が、自分の身分を語っていたなら、(現行犯逮捕は
せずに)女子高生の陳述だけを聞いて、(事件の)発生報告をしただろう」とし、
「まさか地検長が女子高生の前でわいせつ行為をするなどと想像できるだろうか。
地検長という『人格』を信じていたので(そんなことはあり得ないと判断しただろう)」と話した。

これが正直なところだろうと、私も思う。

キム地検長は、あの夜、パトカーが来ても堂々として、逃げたりしなければ、
何の問題にもならなかったのである。

警察官に職務質問された時は「私は済州地方検察庁長のキム・スチャンだが何か?」
と悠々と応じていれば、「はっ、これはおそれいりました。失礼しました」と相手は恐縮して、
それで終わり。

犯人はすでにその場を立ち去っていた、ということで、「発生報告」の短文報告で片付いていただろう。

が、「とても当惑して顔を赤くしながら、しどろもどろを続けた」りしたもんだから、
「じゃあ、署まで来てもらおう」ということになったわけだ。

あとは、本人確認で弟の名前を言ったり、荒唐無稽な弁明をしたり…。

要するに、警察の言う「以前に検挙されたいわゆる『バーバリーマン』も非常に平凡なサラリーマン」というケースと同じ様態を見せたのであった。

警察は、おそらく韓国の大多数の国民も、もう、正確に見抜いている。

事実上、決着がつきましたね。典型的な「バーバリーマン」ということで。

(9)起訴意見つきで送検される
2014.08.22
キム・スチャン元地検長が、さきほど起訴意見つきで送検されました。
さきほど東亜日報がこのような記事を配信しました。

東亜日報
警察「キム・スチャンの公然わいせつ容疑を認める…起訴意見で検察送致」
http://news.donga.com/Main/3/all/20140822/65911076/1

(引用始まり)
警察庁は22日、キム・スチャン元済州地検長(52)の公然わいせつ行為について
捜査した結果、犯罪容疑が認められ、「起訴意見」(訳者注:起訴すべきという
警察の意見。起訴、不起訴または起訴中止、嫌疑なしという意見もある。
検察はこの意見を参考にするが羈束される(縛られる)ことはない)をつけて
送検すると明らかにした。

キム前地検長はこの12日午後11時32分ごろ、約20分間、済州市二徒2洞往復
7車線道路沿いなどで5回にわたって公然わいせつ行為をした疑いを受けている。
警察は、確保された監視カメラに撮影された人物がキム前地検長と同一人物かどうか、
わいせつ行為が確認できるかどうかについて、国立科学捜査研究院に鑑定依頼し、
21日午後7時に鑑定の結果を通報された。

国科捜の鑑定の結果によると、監視カメラ映像内の人物は、キム前地検長である
可能性が高いことが分かった。所持品、着衣、顔形、身体の特徴、歩き方の特徴などが
似ており、同じ動線で似た特徴を持つ他の人物が観察されなかったからだ。

また、キム前地検長がパトカーを見てズボンのジッパーを上げるかのように身体を動かし、
場所を離脱するのを制止して現行犯逮捕した、という現場出動した警察官の供述が
出たことなどから、わいせつ行為に対する容疑も認められた。

警察関係者は「逮捕時から留置場収監時まで継続して自分の人的事項及び身分を
隠した情況などからして、犯罪容疑が認められる。起訴意見をつけて送検予定」と伝えた。

キム前地検長はこの13日午前1時ごろ、済州市中央路に位置した飲食店付近で、
「ある男性がズボンのジッパーを下ろしているなど、わいせつ行為を行っている」という
女子高生の通報を受けて出動した警察に逮捕された。

当時、金前地検長は自分の身元を弟のように見せかけ、警察の身元照会によって身分が
明らかになったという。

これと関連、金前地検長は17日午前、ソウル瑞草洞ソウル高等検察庁記者室を訪れ、
「任地である済州でとんでもない災難にあい、当惑している。検察組織に迷惑をかけることを懸念して身分を隠したことから想像もできない誤解を呼び,起こし、家族は深刻な苦痛を
味わっている」と悔しさを訴えていた。

そして辞任の意思を明らかにして辞表を提出したため、法務部は18日これを受理して
免職処分した。
(引用終わり)

さて、ここからは検察の仕事。
最終的に、どう判断するか…。
本人は最後まで否認しそうですが、監視カメラの映像はかなり鮮明みたいだし。
家族としては、今、さらに深刻な苦痛を味わっていることでしょうねえ。
奥さんは「想像もできない誤解」という夫の主張をまだ信じているのだろうか。
もしかしたらご主人の顔を正視できない精神状態に陥っているのではないか…。

一部には、「免職処分は甘い。罷免にすべきだ」という声があります。
この場合の免職は会社員に置き換えると「依願退職」みたいなもの。罷免なら「懲戒解雇」。免職になったため、退職金や年金はもらえるし、弁護士開業などもできるとのこと。

やったことの重さからして、免職が妥当ではないでしょうか。
初犯で軽犯罪だから、罷免は重すぎでしょう。

しかし、全国的に(いや、外国にまで)顔とやったことが知れ渡ってしまったわけだから、
第2の人生はかなり厳しいものになるのではないか。

奥さんら家族も第2の人生につきあってくれるかどうか…。
いや~、やったことに比べて、失ったものはほんとうに大きいですね、この人の場合。

(10)一転して犯行を認め、謝罪し、治療を受けると表明
2014.08.22
キム・スチャン元済州地検長はさきほど、法律代理人を通じて、警察の捜査結果を
認めるとし、司法手続きに従うと明らかにしたとのこと。

東亜日報
キム・スチャン元済州地検長「捜査結果を認める…専門家と相談して治療を受ける」
http://news.donga.com/Main/3/all/20140822/65917240/1

この記事によると、「深く謝罪する。専門家と相談して治療を受ける」とも述べたという。
現在は、済州道ではない地域の病院で治療を受けており、法律代理人によると
「精神的恐慌状態にあり、極度の羞恥心から、死にたい
と心情を吐露している」という。

今、すごく、つらいだろう…。

しかし、よかったよかった。
人ごとながら、ほっとしました。
キム・スチャンさんとご家族の将来のために、もっともいい方法を選択した、と思う。
冷静に考えれば、この方法しかないでしょう。

否認し続けて、あがけばあがくほど、困難な状況に追い込まれるしかなかったのですから。

キムさんは社会的信頼のずいぶん大きな部分を失ってしまったわけですが、
それでも、思い切って、このように意思表示したことで、致命的な信頼の喪失は免れた、
と思いますね。

(11)韓国で高まる検察への不信感
2014.08.23
きょうの韓国日報の1面に、このような記事が掲載された。

厚顔な検察、誰が信じるのか
スポンサー・性接待・解決師検事、わいせつ行為地検長まで、社会的ショック
警察「CCTVの中の人物はキム・スチャンで正しい」、
キム側「認める…治療をきちんと受ける」
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LPOD&mid=sec&oid=469&aid=0000014771

キム・スチャン(52)元済州地検長が、公共の場所で、わいせつ行為を行ったことが
確認され、検察に対する不信が広がっている。22日、警察は事件現場の監視カメラに
撮られた男性はキム前地検長で正しいと発表し、キム前地検長側も「捜査結果を認めて
謝罪する、治療をきちんと受ける」とコメントした。

検察は最近、業務関連の不正以外にも、セックススキャンダルでも窮地に立たされてきた。

ピラミッド(ねずみ講)詐欺犯のチョ・ヒパルから10億ウォンの賄賂を受け取った
キム・グァンジュン(김광준)元検事や最近、殺害された財力家から金品を受け取った
容疑を受けたA検事など、金品授受不正(訳者注:これはスポンサー検事)だけに
止まらなかった。

被害者と賄賂性の性的関係を持ったチョン・ジェモン(전재몽)元検事、
別荘で性的接待動画の事件に巻き込まれたキム・ハクウィ(김학의)元法務部次官
(訳者注:これは性接待検事)、事件の被疑者として出会った芸能人のエイミーのために
整形外科院長を脅迫したチョン・スンチョル(전승철)元検事(訳者注:これは解決師検事)
などの性的スキャンダルは、検察自身も困惑するほどだった。
偶然にも、キム前地検長はキム・グァンジュン元検事を捜査した特任検事だった。

キム前地検長のわいせつ行為は業務と無関係な個人的な逸脱といえども、このような
非正常的な検事が高位職を維持していたという事実に、市民は驚愕している。
「これまで、このような検事たちに独占的な起訴権を与えて、犯罪の撲滅を任せてきたのか」
という不信の声が出ている。

端的に言うと、性犯罪についてどのように判断していたのかということだ。
チョン・チュンスク「韓国女性の電話」常任代表は、「性的暴力の被害女性が通報して
調査を受ける際、その事件の捜査を指揮する人が検事だが、検察内に性的暴行の加害の
懸念のある人がいるということを、被害者はどのように受け止めるだろうか」と話した。

チョン代表は「(このような検事たちは)加害者には『男だから欲求はやむを得ないではないか』と寛大で、女性にはより多くの証拠を要求する公算が大きい。地検長がこうであれば、
以下の部長クラスや平検事らも影響を受けて性的暴行事件を捜査しているのではないか心配」と付け加えた。

シン・ジンヒ性的暴力被害者専門弁護士も「性犯罪被害者らに証拠がないため不起訴処分で終わり、検察不信になる場合が多いが、今回の事件で検事と加害者は大して違わないという不信が広がるのではないかと心配」と話した。

キム元地検長に対し懲戒手続きを踏まずに、急いで辞表を受理した検察と法務部の対応も不信と批判を招いている。ある刑事事件専門弁護士は「ほかの人には厳正な法執行を
云々して刃物を突きつけながら、身内はかばい、懲戒ㆍ罷免の手続きも踏まず、年金、退職金、全部守ってやる。そんな検察が法廷できちんと仕事ができるのか」と指摘した。

市民のイ・サンチョル(50、京畿道高陽市)さんは「キム前地検長の問題は個人的な逸脱だ
としても、厳然たる犯罪容疑者を監察もせずに辞表を受けつけた瞬間、検察の組織的な
逸脱と犯罪になる」と声を高めた。

疾病であれ犯罪であれ、キム元地検長の逸脱が、検察に携わった数十年もの間、チェックされなかった点も問題として指摘される。

ある弁護士は「一部では、キム元地検長は性倒錯症などの病気によってああいうことをしたとし、検察もそれで納得する雰囲気のようだ。結局、ゆがんだ性意識を持った病人を
チェックできなかった人事システムの欠陥を検察自ら認めたのではないか」と指摘した。

働く女性のキム某(45)さんは「(キム元地検長のような)逸脱的人間性を持った人を組織で
スクリーニングできなかったのが検察の悲劇」と話した。
(引用終わり)

韓国の国民は、この事件をキム元地検長個人の「逸脱」という問題よりも、こういう人を
内部でチェックできなかった検察の構造的問題と見て、深刻に受け止めている。

キム・スチャンさんの事件が韓国社会に与えた衝撃は、事件発覚当初、私が予想したよりも大きなものになったようだ。

このところ相次いだ検察の一連のスキャンダルに、なんというか、とどめを刺したような形で、そのインパクトに、今、韓国社会全体が震えているような印象である。

日本でも何年か前に証拠ねつ造が大きな問題になったものだが、日本では、賄賂やセックススキャンダルはほとんど耳にしない。

国民が検察を信じられないと、その国は、根底から不安定になってしまうのではないか。
韓国の検察は、国民の不信感を払しょくできるだろうか…。

(12)奈落に落ちた「検察の星」
2014.08.24
キム元地検長が検察の中でどれほどのエリートであったか。
そして、そういう人が犯した信じられない犯罪に、検察が今いかに動揺しているか。
そういうことがよくわかる記事をみつけた。
長い記事なので、一部、抜粋する。

NEWSis
「わいせつ行為をしたことは正しい」と警察発表…検察66年の歴史上最も恥辱的な事件
http://www.newsis.com/ar_detail/view.html?ar_id=NISX20140822_0013123780&cID=10201&pID=10200

金前地検長の容疑が認められる場合、これは検察66年の歴史上最も恥辱的な事件として記録されるものとみられる。

検事長が道端でわいせつ行為をした容疑を受けるというだけでも類例のないことだが、
現行犯で逮捕され、管内警察署の留置場で一晩、拘禁された事実自体が衝撃的だからだ。

また、金前地検長が警察の取り調べて弟の名前と住民登録番号を告げ、自分の身分を
偽ったことも問題を大きくしたと指摘されている。

実際、金前地検長は、疑惑が提起された後も、ソウル高等検察庁記者室を突然、訪れ、
記者会見を自ら求めて、容疑を強く否認した。

当時、彼は「済州で、とんでもない災難にあって当惑している。悔しさを晴らすためには
一日も早く徹底して明白に真相が明らかにならなければならない」と語った。

事件初期は検察内部の雰囲気も、キム元地検長の釈明と大きく違わなかったようだ。
検察幹部たちも、キム元地検長のわいせつ行為の容疑について「まさかそんなことは
していないだろう」という反応を示していたという。

しかし、同日、警察の発表が伝わり、検察のムードは穏やかでなくなった。
複数の検察関係者たちが警察発表について「警察の捜査について検察が言及することは
適切ではない」「キム元地検長が認めたのだから何か言う必要もないだろう」
「事実ではないことを望んでいたが、残念だ」などとし、極度に口を慎んでいる雰囲気だ。

ある法曹界の関係者は「韓国社会で最も敏感な部分の一つである『性』と関連した問題で、検察組織の高位幹部の逸脱行為が行われたこと自体が衝撃的だ」とし、
「これまでスポンサー検事、セックススキャンダル検事、ブローカー検事、解決師検事、
帳簿検査など様々な事件があったが、今回の『わいせつ行為検事』疑惑は、検事長という
身分のために、その衝撃がきわめて大きい」と話した。

検事長(次官級)は、「検察の花」「検察の星」と呼ばれる。
全国1900人余りの検事の中、誰もが検事長になれるわけではない。
選ばれた49人だけがそのポストに就ける。

特に、キム元地検長は、検事を拘束した検査、別名「検事を捕まえる検事」としても
名声を博した。彼は、2012年に世間の耳目を集中させた「10億ウォンの不正検事」事件の
特任検事に任命され、活躍した。

キム元地検長は収賄疑惑を受けていたキム・グァンジュン/ソウル高検検事(部長検事)を捜査し、ユジン・グループとねずみ講詐欺犯のチョ・ヒパルの側近などから10億ウォン余りの賄賂を受け取った容疑をつかみ、キム元部長検事を拘束起訴した。ワイロを提供した
ユジン・グループのユ・ギョンソン会長と弟のユ・スンテ代表も一緒に起訴した。

当時、彼はキム元部長検事に懲役12年6月を求刑した。
「検事に求められる高い道徳性と検事が持つ権限などを考慮して、
キム部長検事にはさらに厳格な基準が必要だ」という理由からだ。

しかし、同日、警察の発表で「検事に求められる高い道徳性と検事が持つ権限」という
言葉は、キム元地検長にそのまま返ってきた。

検察内部でも「『検察の星』が奈落の底に落ちた」という自嘲的な声が出ているという。
(引用終わり)

これだけ立派なキャリアの検察官だったのに「検事に求められる高い道徳性」はもとより
「一般人レベルの道徳性も」持ち合わせていなかったことが不思議でならない。

たとえば、例のわいせつ行為だが、7車線の道路を挟んで、両側の道端で行ったという。
この際の移動は、「無断横断」だったという。

その模様をソウル新聞がこう記している。
http://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20140823500118

午後11時32分ごろ、最初に目撃された飲食店の向いの建物の監視カメラに、
(キム元地検長が)身体の主要部位を露出させて、わいせつ行為をする姿が映っていた。
彼は20分間、7車線の大通りを無断横断しながら、飲食店の前で2回、向いの建物で3回と2か所で5回わいせつ行為をしたとされている。

女子高と商店街の近隣で、乗用車やバス、人々が往来していたにもかかわらず、
大通りに向かって、または道路を背にして、わいせつ行為を行ったという。
(引用終わり)

人前で「主要部位」を出してはならないとか、道路を渡るときは、横断歩道で、
信号に従って、という小学生レベルの道徳性も持っていなかった、というわけだ。

すでに前の記事で書いたが、逮捕されるときは逃げようとし、警察署に連行後は
本人確認で弟の名前を言い、釈放されると、ソウル高等検察庁に急行し、
記者会見を開いて、容疑を否認…。

結局、監視カメラに決定的なシーンが映っていたために態度を一転させて、
すべて認めて謝罪した、ということに過ぎない。

ほんとうに不思議でならない。
こういう人が検察という権力機関のエリート中のエリートだった、ということが。

ある意味、済州道で一番偉い人、知事や地裁の長と並んで、そのひとりなわけですよね。
済州地方検察庁の長なんだから。

そういう人が、平日の深夜に、街なかをほっつき歩きながら、変なことをしていた。
滑稽というよりは、やはり、ぞっとする怖ろしい光景なのではないでしょうか。

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済州地検長はバーバリーマンだった” への1件のコメント

  1. ピンバック: 韓国野球、また赤っ恥! ベテラン選手(35)が戸外でわいせつ行為 | ソウル人生劇場

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