大韓航空ナッツリターン事件「えっ、乗務員の作法はマニュアル通りだったって!?」

もうこの話は終わりにしようと思っていたのだが、重要な事実が明らかになったので、書きます。

なんと、大韓航空のチョ・ヒョンア副社長の「ナッツ回航」事件で、ナッツの出し方で叱責された客室乗務員はマニュアル通りにサービスしていたことが明らかになったのだ。

●京郷新聞  2014-12-10 22:25
チョ・ヒョンア マニュアル通りにした乗務員に「いわれのない言いがかり」
http://news.naver.com/main/ranking/read.nhn?mid=etc&sid1=111&rankingType=popular_day&oid=032&aid=0002552248&date
=20141210&type=1&rankingSeq=2&rankingSectionId=101

 

 

――引用始まり

大韓航空は事件当時、乗務員たちが「マニュアルさえまともに守れず、言い訳と嘘で適当に言い繕った」と乗務員の資質の問題を強調したが、これは事実ではなかった。

10日、京郷新聞が入手した大韓航空のファーストクラス客室サービスマニュアルを見ると、「ウェルカム・ドリンクサービスの時は、飲料と共に、マカダミアナッツを包装した状態で持って行って見せる」となっている。そして「乗客がマカダミアナッツを希望すれば、ギャレー(調理室)でバターボール(小さな器)に入れて、カクテルナプキンと一緒に飲物の左に置く」となっている。大韓航空では、2012年からこのマニュアルに従ってサービスをしてきている。

この事件は、乗務員が器に入れて出さなければならないマカダミアナッツを袋ごと渡したため、チョ副社長が作法の誤りを指摘したことから始まったとされていた。しかし、複数の航空業界の関係者たちは「当時、乗務員は意思を問うため、袋に入ったマカダミアナッツを見せたもの」と話した。乗務員がチョ副社長に袋に入ったマカダミアナッツを見せてたのは、そのまま提供するためではなく、飲食の意思を問うためだったということだ。

しかし、チョ副社長は「そんなサービスのしかたがあるか」と叱責した。その後、乗務員のチーフである事務長がマニュアルを説明するために出てきたが、当惑してしまい、きちんと説明できなかったので、チョ副社長は「飛行機から降りろ」と暴言を吐いたという。

匿名を希望する大韓航空関係者はオーナー一家の過ちを隠すために無実の乗務員のせいにしたのではないか。チョ副社長が職権乱用で飛行機を引き戻させ、特にミスのなかった職員を飛行機から降ろしたのだ」と話した。

これに対して大韓航空広報チームの関係者は「ニューヨーク路線は、航空機のドアが閉まる前には酒類のサービスができないシールオープン(Seal Open)不可路線であるため、飲料(ノンアルコール)を中心に個別に注文を受けてサービスしなければならない。また、マカダミアナッツを見せずに意思を尋ねるのが正しい」と話した。

――引用終わり

じつは私は、この事件の一報を読んだ時、ちょっと奇異に感じた部分があった。

最初に、ナッツの出し方が間違っていると言われた乗務員が、副社長の指摘に対し、「マニュアル通りにした」と答えたという部分だった。

この口答えに副社長が怒って、「じゃあ、マニュアルで確認しよう」となって、事務長にマニュアルの入ったタブレットPCを持って来させたら、副社長の剣幕にテンパってしまった事務長がPCのパスワードを正確に打ちこめなくて、マニュアルを見ることができず、副社長は「どいつもこいつも!」とさらに激怒し、事務長に「おまえが降りろ」と怒鳴った、という話だった。

私が奇異に感じたのは、韓国の風土からして、このケースで、最初に叱責された乗務員が、「マニュアル通りにした」と答えるだろうか、もし本当にそう答えたなら、これはよっぽどのことで、ほぼ100%の確率でこの乗務員の主張が正しかったのではないか、という点。

ところが、一報の記事では、乗務員が間違っていたことになっていた。

マニュアルでは「ナッツを召し上がりますか」という意思確認は、ナッツを見せずに、口頭だけでする…。そんなものかと、私はやや変だと思いつつも、そのままやり過ごした。

が、やはり、乗務員が正しかったことが明らかになったのだ。

マニュアルには英文で、こうある。

Put the beverage on the right side of the passenger’s table with a coaster underneath and offer macadamia nuts by showing the whole pack. If the passenger wants macadamia nuts with beverage, bring it to the galley and prepare nuts in the butter bowl,then place it on the left side of the glass with a cocktail napkin.

翻訳すると、こうなる。

飲み物をコースターに載せて乗客のテーブルの右側に置きなさい。そして、袋に入ったマカダミアナッツを見せながら、(これもいかがですか?と)提案しなさい。もし乗客が飲み物と共にマカダミアナッツを望んだなら、それをギャリーに持って行ってバターボウル(バターを入れる小さな器)に入れて、それから(乗客の席に戻って)カクテルナプキンと共にグラスの左に置きなさい。

つまり、副社長は、この客室乗務員がマニュアル通りに袋に入ったマカダミアナッツを見せて「召し上がりますか?」と尋ねたのを、早とちりして、袋ごと出したと思ったのだ。それで「器に盛って出すのが当然だろう!」と腹を立てたのだが、おそらく、副社長は、勉強はしても自分がサービスをした経験がないから、そのへんの細かい部分はうろ覚えだったのだろう。

「ナッツもいただく」と言って、もう少し落ち着いて様子を見ていれば、この乗務員はちゃんといったんギャリーに戻って、ナッツの入った器を持ってきたはずだ。

まぁ、確かに、多少、英語のできるぼくでも、アメリカ人が英語で「マカダミアナッツ」と言われたとしたなら、とっさに、なんのことか聞きとれるかどうか…。乗客の全員が英語ができる、そして「マカダミアナッツ」という堅果類を知っているとは限らない。袋を見せてくれれば、何か、一発で分かる。

なんだ、そういうことだったのか、と、私の疑問は解けた。

しかし、この期に及んで、大韓航空広報チームの人がまだ「マカダミアナッツを見せずに意思を尋ねるのが正しい」と言うとは…。一生懸命、チョ・ヒョンア副社長を擁護しているのだろうが。

韓国の風土を考えれば、これは分かる。

それだけに、やはり、韓国で権力を持つ人は、自分のふるまいに十分に気をつけなければならないと、あらためて、つくづくと、思うのであります。

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