情弱はやられっぱなしなのか? BTSに夢をみた蟻たちの悲劇

7日の朝鮮戦争をめぐる発言で中国人たちの大きな反発を呼び起こしたBTS(防弾少年団)。彼らが所属するビッグヒットエンターテインメントがきのう(15日)、ソウルの韓国取引所(KOSPI)に上場したのだが、「ダイナマイト」(8月21日にリリースしたアルバムのタイトルにかけた)は不発に終わり、大損こいた蟻(個人投資家)たちが悲嘆に暮れている。●毎日経済

これはもう、ほとんど犯罪ではないだろうか? 顛末を見てみよう。

出足は好調だった。新規株式公開(IPO)価格の13万5000ウォンに対し、初値は2倍の27万ウォン。その後は、この初値比30%高の上限、35万1000ウォンに達した。35万くらいで買った蟻が多く、数時間後、彼らは絶望の淵に落とされた。

株価は下がり続け、この日は、25万8000ウォンで取引を終えた。取引開始価格より4.44%安くなったのだった。

つまり、35万ウォンで買った人は、25万8000ウォンで終わったので、30%近く、失ったことになる。

一方、大量に売って大儲けしたのは機関と外国人。ビッグヒットの役員や大株主たちはロックアップがかかっていて売れなかった。この日、実際に流注した株数は670万株で、じつに650万株が取引された。

プロたちは、こういう株を使った儲け方をよく知っていた。典型的な投機用の株と見ていた。

もともとビッグヒットには経営上のリスクがあった。まずBTSに依存しすぎていて、じつに売上の90%がBTSによるものだった。(昨年97.4%、今年上半期87.7%)そして、彼らには軍入隊という大きな問題があった。(現行兵役法上、1992年生まれのジン(本名キム・ソクジン)は、来年(2021年)末まで入隊延期が可能だが、以降は、完全体での活動は難しくなりそう)また、7日の朝鮮戦争関連の発言で中国の反発を招くなど、「中国問題」もあった。この業界にありがちな「不透明な経営」も不安材料だ。

しかし、そういうことをメディアはリスクとして蟻たちに伝えず、楽観的な報道ばかりして煽った。与党・民主党の議員たちもBTSを英雄として讃え、BTSには特別に兵役を免除してはどうか、などと騒いでいた。この連中は、今回の「嵌め込み」の共犯といっていいだろう。

とりわけ、蟻たちを大きく幻惑したのは、ビルボードだった。

蟻たちは、BTSが「2020ビルボードミュージックアワード」で4年連続トップソーシャルアーティスト賞を受賞した。「ダイナマイト」で、韓国人歌手としては初めてビルボードシングルチャートの「ホット100」でトップに立った、など、海外からすばらしいニュースが舞い込むたびに、胸を踊らせていた。

公募時、機関は1000倍、個人は600倍という大人気、「ビッグヒットの株が買えたら宝くじに当たったも同然」という、熱気が冷めやらぬなかで上場初日を迎え、蟻たちが殺到したところで、機関と外国人はBTSの株を売り払ったのだった。

株価は、上場翌日のきょう(16日)も大幅に下落し、前日終値より22.29%安い20万500ウォンで取引を終えた。

今後の見通しも明るくはない。義務保有期間の解除後、機関投資家らの大量売却の可能性も、地道なリスクとして浮上している。先月の公募で、ビックヒットは、機関投資家らに割り振った公募株428万2309株のうち、78.37%に対し、義務保有の確約をかけている。義務保有確約は、株価暴落のリスクを低めるために作られた制度だ。

公募価格の13万5000ウォン前後で落ち着けばいいほうで、BTSの解散、パン・シヒョク社長逮捕(BTSの経営では不透明な支配構造など、さまざまな疑惑がささやかれている)など、重大な問題が発生した場合、紙くずと化す最悪の事態もありえるのだ。

そんなふうに思いたくはないが、7日の受賞や、その席での朝鮮戦争をめぐる発言なども、この株式上場に向け、素朴な愛国心をくすぐって蟻たちを呼び寄せる、そんな意図もなくはなかったのかもしれない。

【追記】
「50歳近くになる妻がBTSに狂い、子供の大学の授業料や結婚に使うために貯めてきた1億ウォン(約900万円)をそっくり投資した。離婚を考えている」

所属事務所ビッグヒットが上場。株価はいったん上限まで上がってから急落し、大損する蟻(個人投資家)が続出。庶民が悲痛な声を上げている。

「ARMY」(BTSファンクラブ)の中には、ビッグヒットの株をアイドル関連商品のように見なし、初めて株式を買った人も少なくなかったという。●ソウル新聞

 


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