軍内で、性犯罪の容疑者が性犯罪者を裁く

軍内部では、おぞましい暴力事件が続発し、男女を問わず、たくさんの軍人が犠牲になっている。

この頃は特にエスカレートしており、まるで「無法地帯」ではないかと思われる。

そうなっている背景として、やはり軍の閉鎖的な構造・体質がある。とにかく、上のほうの人間ができるだけ不祥事を表に出したくないことから、ひたすら隠蔽しようとする。そして隠蔽しやすいように人事や制度を運用しているのだ。

この大きな仕組みの中で、軍人個人が告発をしたり、監察部が真実を明らかにしたりするのは容易なことでないと想像される。

そういう軍の悪しき構造・体質がはっきり露呈したケースを紹介しよう。

華川女軍自殺事件で亡くなったオ大尉とはまた別に、2010年に上官からのセクハラを苦に自殺した女軍シム中尉のケースである。

つい先日の記事だ。

●ニュース1 2014-10-10 10:32
女性軍人にセクハラをした将校が裁判長になって性犯罪の判決を下す…
そんなことでいいのか
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=100&oid=421&aid=0001054232

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軍で上官の大隊長からセクハラなどの苛酷行為(虐待)を受けて2010年に自殺した女性軍人シム某中尉事件の被疑者である17師団のイ中佐が、今年1月から6月初めまで17師団の審判官(裁判長)をしていたことが確認された。

イ中佐は6カ月間に10人の被疑者の裁判を担当し、このうち3人は、性犯罪者だった。性犯罪被疑者が、性犯罪者の裁判をしたわけだ。

国会法制司法委員会のホン・イルピョ/セヌリ党議員が軍事裁判所から入手した27師団シム中尉の死亡事件関連の経過及び再捜査の結果報告」という資料により、シム中尉にセクハラをした容疑で逮捕されたイ中佐(2010年当時、少佐)が今年17師団で、裁判長(軍では審判官という)として勤務していたことが明らかになった。

イ中佐はすでに2010年、同事件に関する内部告発があったことによって27師団監察部で取り調べを受けていた。当時、監察部は、シム中尉をはじめ女性軍人たちに対し持続的にセクハラをした事実を確認し、性軍記違反などで大隊長を懲戒することを提案したが、27師団長は、事案は軽微と判断、口頭警告措置にとどまっていた。

その4年後の今年1月にも、国防省調査本部が、シム中尉の死亡事件を再調査した際、シム中尉に殉職勧告が出されたが、イ中佐は勧告の前日に裁判長に任命されたことが明らかになった。

イ中佐は、その後17師団で、また別の女性将校にセクハラをした疑いが追加で明らかになり、6月、解任され、8月には3カ月の停職の懲戒処分を受けるに至った。

ホン・イルピョ議員は「性的暴行、職権乱用の苛酷行為を犯して監察を受け、国防省調査本部から殉職勧告まで受けた事件の当事者を、どうして性犯罪の裁判をする裁判長に任命することができるのか、審判官の選定基準や任命手続きが何の原則もなく行われていたと見るしかない」と審判官制度の改善を要求した。

審判官制度とは法曹人ではない一般の将校が裁判に参加することで、過去、軍に判事が不足していた時に導入された制度だ。しかし、審判官が必要な裁判自体が少ないうえ、審判官または審判官任命権者の管轄官が(審判官を通じて)不当に裁判に関与できる余地が大きいと批判されてきた。

国会立法調査処は昨年(2013年)4月、審判官制度を廃止すべきだと勧告している。
ーー引用終わり

10日に17師団の師団長がセクハラで逮捕されてから、この女軍(女性軍人)への苛酷行為(虐待)の問題がマスコミでクローズアップされることになったのだが、あの師団長のケースも信じられないものだった。

配下の部隊で別の上官にセクハラを受けた女軍を保護するために司令部に移したら、今度はそこで師団長、つまりトップによってセクハラを受けた、というのだから。

が、このシム中尉のケースも、やはりにわかには信じられないものだ。被害者が自殺したほどの性犯罪の容疑者(被疑者と同じ)が性犯罪を裁く裁判の裁判長をしていた、というのだから。しかも、裁判長をしながら、亡くなったシム中尉とは別の女軍にセクハラをしたことが明らかになって解任された、なんて。

もう、めちゃめちゃ。

法治がどうとか、人治だとか、そういう評価が意味をなさないほどに、一般の日本人の常識・想像の範囲をはるかに超えた怖ろしい世界が広がっていると言っていいのではないだろうか。


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