チョ・ヒョンア大韓航空前副社長2審で執行猶予。143日ぶりに釈放

ソウル高裁は22日、ナッツリターン事件で1審で懲役1年の実刑判決を受けたチョ・ヒョンア前大韓航空副社長に対し、「被告人の航路変更容疑は無罪」とし、懲役10カ月執行猶予2年の判決を下した。

これでチョ前副社長は昨年12月30日に拘束された後、143日ぶりに釈放されことになった。

検察は、懲役3年を求刑していた。

控訴審の結審公判では、こういう状況だった。

●毎日経済新聞 2015.04.21 09:18:26
ナッツリターン、チョ・ヒョンア、検察「反省しているか疑問」 控訴審で懲役3年を求刑
http://news.mk.co.kr/newsRead.php?year=2015&no=378262

 

 

ーー引用始まり

検察がはナッツリターン事件で 1審で懲役 1年が宣告されたチョ・ヒョンア前大韓航空副社長に対する抗訴審で、原審と同じく、懲役 3年を求刑した。

検察は去る 20日ソウル高裁で開かれた前副社長らに対する結審公判で 「航空保安法立法の主旨によって乗客 · 乗務員の安全を脅かした前副社長に対し、航路変更容疑で、有罪が認められなければならない」とした。

検察はまた 「会社オーナーの長女である同時に副社長の地位を濫用して法秩序を無力化しながら、その責をチーフパーサー(原語は「事務長」)と乗務員に押しつけようとしたことを見ると、本当に反省しているのか疑問だ」と付け加えた。

薄緑色の囚人服で髪を一つに束ね、黒縁めがねをかけて法廷した副社長は公判の間、終始、一度も頭をあげなかった。

体重が 7㎏ほど落ち、鬱病を訴えて来た彼女は、最後の陳述で、「置いてきた子供たちのことを思い、眠れぬ夜を過ごし、深い反省の時を送った」と涙を見せた。
控訴審で、チョ・ヒョンア前副社長側は、このような戦略を取った。

●朝鮮ビズ 2015.05.03 15:45
財閥家の控訴審の戦略分析、チョ・ヒョンアの執行猶予は可能か
http://biz.chosun.com/site/data/html_dir/2015/05/03/2015050301155.html

ーー引用始まり

チョ前副社長は1審裁判で自分が受けていた容疑をすべて否認した。 無罪ないし執行猶予を期待していたが、結果は実刑だった。

一審は、チョ前副社長が受けていた5つの容疑のうち、航空保安法上の航路変更、航空機安全運航阻害暴行、刑法上の業務妨害、強要の 4つの容疑を有罪と判断した。裁判長はナッツリターン事件を「人間の尊厳を踏みにじった事件」と結論付け、チョ前副社長には 「真摯に反省しているか疑問」とし、実刑を宣告した。

チョ前副社長は控訴審で戦略を大幅に修正した。 まず業務妨害と強要の容疑を認めた。また 1審の裁判所が指摘した「反省の欠如」の 部分を補い、航路変更と安全運航阻害暴行の容疑だけは法理的に別の判断をしてほしいと要請した。控訴審では、減刑のために最適な条件を作った、というのが法曹界の評価だ。

ーー引用終わり

判決で、「航路変更容疑は無罪」とされたということは、この戦略が奏功したともみられる。

ところで、この執行猶予判決に大きく落胆していると思われる人がいる。

事件当時、チョ前副社長にナッツを出して、ひどい暴言と暴行を受けた被害者の女性乗務員、キム・ドヒさんだ。

じつは、キムさんは、この控訴審判決が出る前に「チョ前副社長を厳罰に処してほしい」という嘆願書を裁判所に提出していた。

●朝鮮日報 2015.05.21 00:51
女性乗務員、チョ・ヒョンアへの厳罰を嘆願 「虚偽陳述を強要し、教授職を提案」
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2015/05/21/2015052100162.html

嘆願書の内容は「チョ・ヒョンア前副社長にお仕えした14時間のフライトは、恐怖に閉ざされた記憶」、「チョ一族が怖くて会社に戻ることは考えられない」、「事件の初期、大韓航空側は嘘の申述を強要し、教授職を提案した」 など。

チョ前副社長側は、この乗務員の主張を否認し、教授職を提案したこともないとしていた。

キムさんは、なぜ、こんな嘆願書を出したのか?

この点について、 法曹界からは、「アメリカでの訴訟で有利な結果得るための戦略」という見方が出ていた。

●ニューデイリー 2015.05.21 11:16:40
ナッツリターン女性乗務員、チョ・ヒョンアの宣告直前 「厳罰を求める嘆願書」提出、なぜ?
http://biz.newdaily.co.kr/news/article.html?no=10074721

ーー引用始まり

法曹界ある関係者は 「アメリカの裁判所で認められる懲罰的損害賠償制度は、陪審員が一般国民なので、世論が非常に重要。チョ前副社長に重刑が宣告され、キム・ドヒさん(女性乗務員)に対する韓国での同情世論が強ければ、賠賞金を引き上げることができる」と説明した。

アメリカの懲罰的損害賠償訴訟は、賠償金額を陪審員が決めるので、キムさんの立場では本人への韓国内の同情論などの世論が重要な状況だ。
キムさんは、事件の起きたニューヨークの裁判所で、損害賠償訴訟を起こしている。巨額の賠償金が目的とされる。当時のチーフパーサー、パク・チャンジンさんも後から、同じ裁判所に同様の民事訴訟を起こしている。女性乗務員側の要求額は不明だが、パク・チャンジンCPの要求額は500億ウォン(55億円)台という。

■ナッツ・リターン事件の主役たちの今。キム・ドヒCA(副社長にナッツを出した女性乗務員)の話を中心に
http://seouljinseigekijo.com/?p=2595

ぼくは思うんだけど、この嘆願書は出さないほうが良かったのではないか?

控訴審で嘆願書を出したところで、新たな証拠があるわけでもないし、判事の判断に影響を与えるとは思えない。また、これによって世論のキムさんへの同情論が盛り上がるとも思えない、いや韓国の風土を考えると、逆に反発を呼ぶ可能性のほうが高かったのではないだろうか?

アメリカ人の弁護士は、そのへんの事情がよくわかっていなかったのかな?

これで、もしアメリカでの民事訴訟で、2人が巨額の賠償金を得るとすると、今は2人に同情し、応援しているネチズンも、少し微妙な感情に変わっていくのではないか?

そのへんがちょっと気がかりだね。

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