韓流ドラマ、苦悩する巨大制作システム

国内はもとより、日本、さらに最近は中国でも人気の高い韓流ドラマ。昨年(2014年)に制作されたドラマは100本を超えたという。活況を呈していることは間違いない。が、どうも、儲かってウハウハ、という状態ではないようだ。

今、どういう状況なのだろうか?

●ヘラルド経済 2015-03-25 11:19
ドラマは黄金の卵を産むガチョウ? 今や醜いアヒルの子!http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=106&oid=016&aid=0000675166

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長い記事なので、まず、ざっくり言うと、こういう話。
※以下、たくさん出てくる金額は、10ウォンが約1円なので、ウォン表記の数字を10で割ると円換算できます。

ドラマの制作費が高騰し、1回当たり3億ウォンにまでふくらんだにもかかわらず視聴率は低迷。ドラマの制作本数が激増したことと、景気の沈滞により、昨年の広告売上げは例年の40%水準にしかならなかった。スターの出演料と人気作家の原稿料が急騰し、総制作費の50%を超過することもある。

ドラマは、テレビ局としては成功率の低い、非常に厳しいビジネスになってしまった。が、それでも諦められない。教養番組より視聴率が高く、輸出も可能だからだ。

しかし、このままではダメだ。スター頼りの従来のやり方ではなく、低コストで斬新なアイディアのドラマ制作が求められる。

では、記事を読んでみよう。

ーー引用始まり

ドラマが黄金の卵を産むガチョウの時代はとっくに終わった。多メディア多チャンネル時代に突入し、地上波テレビ局3社はもちろん、ケーブルテレビや総合編成チャンネルまでドラマ制作をするようになり、競争は頂点に達した。 平日夜10時のミニシリーズ、朝夜の連続ドラマに週末ドラマ、すべてを合計すると、昨年1年間にテレビ界では、なんと100本余りのドラマが制作された。まさに「ドラマ共和国」だ。

ドラマの制作が自己増殖を繰り返し、地上波テレビ局3社のドラマ・プロデューサーはもちろん、バラエティ番組のプロデューサーたちまでもどかしさを吐露する。

あるテレビ局のドラマ・プロデューサーは「制作費は上がるばかり、競争は熾烈。共存はできず、身を削る状況になった。ドラマの本数を減らすのが過度な競争を防ぐ方法だが、テレビ局の立場では容易ではない」と訴え、あるバラエティ番組のチーフプロデューサーは「ドラマの制作費が1本当たり3億ウォンとすると、6分の1で済むバラエティ番組の視聴率のほうが良い場合もある。しかし、経営陣としてはトップスターを使って制作したドラマのほうに、その期待効果に伴う広告の売上げのほうに、より多くの期待をかけている」と羨ましさを隠さなかった。

実際、ここまで来ると、テレビ局も困惑している。ドラマの制作本数は増え続けているが、成功率があまりにも低く、損益計算書にはマイナスが並ぶ。

▶1回当たり制作コストが平均3億ウォン台の時代
昨年3月の放送通信委員会の発表によると、2013年に、ドラマ1回当たりの平均制作費はKBSが 3億6700万ウォン、MBCが 4億2200万ウォン、SBSが 3億6000万ウォンだった。

当時、制作されたドラマをよく見ると、制作費の最高を記録した2本のドラマが登場した。MBC「九家の書」は1回当たり6億ウォン、24回で合計144億ウォンがかかり、KBS 2TV「天命」は1回当たり5億ウォン、24回で合計120億ウォンの制作費が投入された。

通常、現代劇よりは時代劇のほうが制作費がかさむ。ただ、KBSの場合、広告収入が全くない1TVの大河ドラマに1回当たり2億ウォン程度の制作費を投入している。現在放送中の「懲毖録」の総制作コストは110億ウォンだ。

2015年現在、最高7億ウォンに達するドラマまで登場、SBS「ハイド・ジキル、私」は1回当たりの制作費が約4億ウォン(3億9860万ウォン)だ。

莫大な制作費が、トップ俳優の出演料とスター作家の原稿料で50%以上、費やされるという奇異な現象が起きている。昨年、ミン・ビョンジュ/セヌリ党議員が放送通信委員会から提出を受けた国政監査資料によると、平均で、主演級3人の出演料と作家の原稿料を合算すると、1回当たりの制作費全体の55%を超えていた。

「2012~2013地上波3局のドラマ1回当たりの作家の原稿料と主演俳優1~3人の出演料の平均金額の現況」という資料で調べたところでは、作家の原稿料は2300万ウォンで全体の7%、主演級3人の出演料は7600万ウォンと21%だった。ドラマ1回当たりの制作費を平均3億6000万ウォンとすると、主演級3人出演料と作家の原稿料の合計金額は1億ウォンに達し、全体の28%だった。(つまり、2012~2013年は28%だった主演級3人出演料と作家の原稿料の合計金額は昨年には55%を超えるまでに増加した、ということらしい)

平均を上回り1回当たり1億ウォン以上を受け取るトップスターも多い。ヒョンビンから、ソン・スンホン、チャン・ドンゴンなど、韓流の中心にあるスターは最低でも出演料は1億ウォン。新たな韓流スターに成長したイ・ミンホもそのひとりだ。

作家もかなり高額の報酬を得ている。名前のある作家で3000~5000万ウォン、特A級の作家なら1回当たり1億ウォンということもある。

こういう事情により、「トップスターたちの饗宴(共演の意味も)」が見所のドラマなら、主演俳優2人と作家1人で制作費の70%を占める状況も出ている。 一方、KBSの短幕ドラマの場合は7000~8000万ウォンの制作費で、俳優の出演料まで、すべてまかなっている。ドラマの現場では「富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる」という現象が顕著となっているのだ。

▶視聴率の下落
最近数年間に証明されたドラマ市場の法則のひとつは、出演料と原稿料を独り占めするようなトップ俳優とスター作家でも視聴率を担保しないということ。

昨年、制作されたドラマの中で20%を超えたミニシリーズは2014年2月に放送が終わったSBS「星から来たあなた」(チョン・ジヒョン、キム・スヒョン主演)だけだった。現在放送中のSBS「ハイド・ジキル、私」(ヒョンビン、ハン・ジミン主演)は3.5%、KBS2「ブラッド」(ク・ヘソン、アン・ジェヒョン主演)も3.8%まで視聴率が低下した。

視聴率がすぐに広告の売上げに直結する状況で、ドラマ市場の危機はまさに「視聴率の低下」から来た。長期的な経済低迷で凍りついている広告市場は視聴率1位のドラマであってもなかなか広告を出さない。

ただでさえ競争の激化した市場環境で、視聴率まで低迷し、2014年のドラマの広告売上げは例年の40%水準(1回当たり約1億2800万ウォン)にとどまった。2012~2013年のドラマの平均広告販売収益は1回当たり3億2000万ウォンほどだった。韓国放送広告振興公社の「2014放送通信の広告費の調査」という資料によると、地上波3社の2014年の総広告の売上高は2兆616万ウォンで、前年対比3.5%(2013年2兆1359億ウォン)下落した。2012年には2兆2304億ウォンの売上げだった。

それにもかかわらず、地上波テレビ局でドラマ制作を放棄しない理由は意外に単純だ。基本的にドラマは、バラエティ、教養ジャンルより視聴率が高い。そしてトップスターが出演することへの期待効果がある。60分のドラマがすべての広告を販売すると、1回当たり30本の広告を通じて、最大4億ウォン程度の収益になる。16部作で計算するなら、1本のドラマは広告だけで64億ウォン以上の収益を上げる。

さらに韓流市場の最大の輸出品であり、価格が高騰している。テレビ局の立場では容易に放棄できないコンテンツなのだ。

ある地上波テレビ局のドラマ担当チーフプロデューサーは「ドラマで金を稼ぐシステムが問題だ。スターを使えば高視聴率が期待できるという発想にとどまっているが、今や、ドラマをたくさん作るほど、制作費が高くなるほど、損害が大きくなる状況だ。これからは発想を転換し、低コストで斬新なアイディアのドラマを作って、品質を高め、市場の健全な競争を誘導しなければならない」と指摘した。

ーー引用終わり

なぜ、今、こういう記事が出てきたのか、と考えてみるに、やはりSBS「ハイド・ジキル、私」の失敗が大きいのではないかと思う。(ちょうど、きょうあすの2夜でこのドラマの放送が終わる)

とにかく、この作品で、ヒョンビンは総制作費の3分の1を独り占めしたらしいですから。

■ヒョンビン 「ハイド・ジキル、私」の出演料、総制作費の3分の1
http://seouljinseigekijo.com/?p=915

この記事によると、「ハイド・ジキル、私」の制作費は1回当たり約4億ウォンということだから、ヒョンビンは1回のドラマ出演で、1億3000万ウォン以上の報酬を得たことになる。(現在のレート、1ウォン=0.11円で計算すると、1億3000万ウォンということは、なんと1430万円!)

これは日本と比べると、大変な高額だ。日本ではトップスターでも、ドラマ1回の出演料はせいぜい500万円くらいではないだろうか?

とにかくヒョンビンにこれだけ払って、総制作費も4億という大金をかけて(おそらく宣伝広告費にも相当使った)、それで視聴率が3~4%台では…。

そこで発想を切り替えて、「低コストで斬新なアイディアのドラマを作ろう」ということに。

この考え方は正しいと思う。しかし、「斬新なアイディア」というのは、そう簡単には出てこないから「斬新」なわけ。言い変えると、たくさんの平凡、陳腐があってこそ輝くのが「斬新」だ。

だから「成功率」は、やはり限定的と言うしかない。が、失敗するにしても、「低コストで斬新なアイディアのドラマを作ろう」と知恵を絞って頑張って、その結果として失敗した、というのであれば、次につながるだろう。

そういうチャレンジをしないで、スター俳優やスター作家の実績だけを信じて「お任せします」という姿勢では、この状況を打開できないと思う。

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